先日厚生労働省より、2025年3月新規高卒者を対象とした高卒採用のスケジュールが公表されました。スケジュールと採用活動のポイントをおさえて、スムーズな高卒採用活動に備えましょう!高卒採用の基本ルールも合わせて解説します。
目 次
1.はじめに
2.2025年3月新規高卒者の高卒採用スケジュール
3.スケジュールと合わせておさえたい5つのポイント
4.高卒採用5つの基本ルール
5.まとめ
1.はじめに
高卒採用は、厳しい人材不足・採用難など多くの問題を抱える近年の若手人材の採用手段として特に注目を集めています。継続的に高卒採用を行っている企業はもちろん、「新たに参入したい」「久しぶりに高卒採用を再開しようと思っている」という企業も、採用活動を実施する上で必ずチェックしておきたいのが採用スケジュールです。他の新卒採用とは異なるスケジュール・ルールの下で行う高卒採用ですから、それらをしっかり理解できていないと思うような採用成果に繋がりません。今回は、2025年3月新規高卒者の高卒採用スケジュールの解説と共に、おさえておきたいポイントや基本ルールについて解説します。
2.2025年3月新規高卒者の高卒採用スケジュール
2025年3月新規高卒者を対象として行う高卒採用スケジュールの流れと企業の動きは以下の通りです。
<2025年3月新規高等学校卒業者の採用選考期日等>
ハローワークによる求人申込書の受付開始:6月1日
※高校生を対象とした求人については、ハローワークにおいて求人の内容を
確認したのち、学校に求人が提出されることとなります。
企業による学校への求人申込及び学校訪問開始:7月1日
学校から企業への生徒の応募書類提出開始:9月5日(沖縄県は8月30日)
企業による選考開始及び採用内定開始:9月16日
今回も、例年を踏襲したスケジュールとなっています。特に求人の申込や求人票提出などの各種解禁日はしっかりチェックして、スタートダッシュを切ることができるよう備えておきましょう。
3.スケジュールと合わせておさえたい5つのポイント
高卒採用が本格的に動き出すのは7月以降ではあるものの、スケジュール図を見ると、年間を通して様々なアクションが必要であることが分かります。ここでは、スケジュールに合わせておさえておきたいポイントを5つ紹介します。
① 求人申込書の書き方に注意しよう
申し込み受付は6月1日開始です。ハローワーク主催の学卒求人説明会等で入手した「高卒求人登録用紙」を利用して求人の申込をします。一般用と高卒用で内容が異なるため、必ず高卒用で申し込むよう注意しましょう。高校生は、この求人票を見て就職先を選択します。応募獲得に繋がる求人票作成のコツは、「より詳しく」「より分かりやすく」です。すべての企業が同じフォーマットで作成する求人票だからこそ、記載内容を充実させて自社の魅力をしっかり伝えることが重要なのです。
(関連コラム:魅力が伝わる!応募したくなる求人票作成の3つのコツ)
(関連資料:高卒採用お役立ち資料~求人票の書き方編~)
② 2つのタイミングで学校訪問を実施しよう
1つ目のタイミングは、求人票が公開される前です。学校や進路指導の先生との関係作り、自社の認知度向上はもちろん、高校生の就職活動の現状などの情報収集もでき、自社の高卒採用活動をよりブラッシュアップするよい機会にもなります。2つ目のタイミングは7月1日の求人票公開後で、求人票の提出が主な目的となります。どちらのタイミングであっても、採用PRツールとして採用パンフレットや訪問時に活用できるPR動画などがあると、自社の理解度向上や採用に積極的であることのアピールに繋がり、先生から生徒へ紹介してもらえるチャンスがアップします。また、先生方は通常の学校の業務などもあり多忙ですので、採用ツールを使うことで、短時間の訪問でも高い訴求力が期待できて非常に効果的です。
(関連コラム:高校訪問で効果を発揮するツール5選!心得たいポイントも解説)
(関連コラム:高卒採用を成功させるための高校訪問のポイント3つを解説!)
(関連コラム:選ばれる企業になるために高校訪問で先生と話すべき12のこと)
③ 応募前職場見学やインターンシップを実施しよう
応募前職場見学は、就職活動中の3年生を対象に、学業に支障の出ない夏休み期間に実施するのが一般的です。学生本人とコミュニケーションが図れる貴重な機会であり、自社の強みやアピールポイントを上手に伝えて企業理解を深めてもらい、応募意欲や応募数アップへ繋げるイベントです。また、実際の仕事や職場の雰囲気を体験してもらったり、既存社員の働く姿を直接見てもらったりすることで、入社後のイメージがつきやすくなり、ミスマッチを軽減できるというメリットもあります。一方インターンシップは、まだ就職活動開始前の1~2年生を対象に、学校の進路指導の授業の一貫として参加してもらう職場体験イベントです。採用目的ではありませんが、自社の認知度アップや学校に対しての採用PRのアクションとして有効な手段です。
(関連コラム:応募に繋がる“応募前職場見学”実施のポイントはこの3つ!)
(関連資料:高卒採用お役立ち資料~応募前職場見学編~)
④ 高卒採用ルールに則った選考活動を心がけよう
大卒とは異なり、高卒採用には様々なルールが設けられており、
・書類選考のみでの採否決定はNG
・面接で質問してはいけない項目がある
など、選考に関わるものもいくつか存在します。ルール違反は指導・罰則の対象となりますので、ルールを逸脱しないような質問項目をあらかじめ用意するなど事前準備が重要です。高卒採用のルールについては、次項で詳しく解説します。
(関連コラム:絶対に聞いてはいけない11の質問!高卒採用の面接時のタブーとは?)
(関連コラム:人事・採用担当者必見!高卒採用の面接で使える質問例10選)
(関連コラム:正しく知ろう!高卒採用における合否通知のルールとマナー)
(関連資料:高卒採用お役立ち資料~面接編~)
⑤ 二次募集を活用しよう
一次募集の期間で十分な採用ができなかった場合は、二次募集で再度応募・選考を実施しましょう。二次募集を行う際は、二次募集の時期に開催される高卒向けの採用説明会へ参加したり、改めて学校訪問を実施したりしてPRを行います。学校側は、二次募集を出している企業についての情報を得る手段がほとんどありませんので、学校訪問が難しくても、求人票を郵送するだけでも応募数に大きく違いが出ます。二次募集のPRは、一次募集の採否が出始める9月中旬~下旬に行うのがベストです。
(関連コラム:正しく知って賢く活用!高卒採用の二次募集を成功させるポイント2つ)
4.高卒採用5つの基本ルール
高卒採用には、行政により定められている独自のルールがあります。これは、公正な採用の実施はもちろん、学業が最優先事項である高校生が就職活動によって学校生活に支障が出ることがないよう、高校生を守るために定められているものです。以下、5つの基本ルールを紹介します。違反すると、ハローワークからの指導が入ったり会社の信用を低下させてしまったり、次年度以降の採用活動にも大きな影響を及ぼしますので、留意した上で採用活動をすすめましょう。
① 学生とのやりとりは必ず学校を経由
求人情報の提供や試験日時・採否の連絡など、採用に関する様々なやりとは、すべて学校の先生を通して行います。学生と直接連絡を取り合うことはできません。
② 一人一社制
応募の際に企業は単願を求め、また、学校側も応募開始から一定期間は一人の生徒につき推薦・応募を一社に制限しなければいけないという制度が「一人一社制」です。しかし、応募した企業から内定がもらえなかった場合は他の企業への応募ができる他、一定の期間を過ぎれば学生一人につき複数の企業への応募も可能になります。複数企業への応募が可能になる時期は、各自治体により都度定められます。
③ 募集方法は求人票のみ
ハローワークへ申込・作成した求人票が、高卒採用唯一の募集手段です。この求人票を元に、先生や学生へ企業の情報や募集内容を届けます。求人広告や採用サイト等を使用して募集をかけることはできません。
④ 書類選考のみでの採否決定はできない
書類のみでの採否の決定は禁止されています。応募があったすべての学生に対して面接や適性検査等の採用試験を必ず実施し、それらの結果を元に採否を決定します。
⑤ 面接時にしてはいけない質問がある
本人の適正や能力に直接関係のない事項を質問することが禁止とされています。これは、本人に責任のない事項が採否の判断に影響を及ぼし就職差別に繋がることを防ぐためです。以下の内容を含む質問はしないように注意しましょう。
・本籍地や出生地
・家族や家庭環境
・自宅回り等の生活環境
・思想や宗教に関すること
・支持政党や尊敬する人物について
(関連コラム:絶対に聞いてはいけない11の質問!高卒採用の面接時のタブーとは?)
(関連コラム:人事・採用担当者必見!高卒採用の面接で使える質問例10選)
5.まとめ
独自のルールやスケジュールが存在する高卒採用だからこそ、入念な準備と情報収集が重要です。大手から中小企業まで多くの企業、そして様々な業種が参入して注目を集めている高卒採用ですので、本記事でご紹介したスケジュールや活動のポイントを参考に、求める人材との良い出会い、そして若い力獲得にぜひお役立てください。
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