売り手市場による採用難の昨今、PR活動や募集・選考の実施、先々の採用計画の立案など、採用担当者は年間を通して採用活動に追われがちです。今回は、強力なサポートでありながら後回しになりがちな採用ツールの準備のタイミングについて解説します。
目 次
1.はじめに
2.採用ツールを準備する前に
3.ツール別準備開始時期
4.まとめ
1.はじめに
採用活動は、年間を通して様々な取り組みが行われます。採用PRや求職者を対象としたイベントなどでは、採用ツールを活用して母集団の形成や求める人材からの応募獲得に尽力している企業も多くあります。売り手市場が強まっている昨今の採用シーンにおいては、採用ツール導入の有無や活用のタイミングは、採用の成否に大きく関わるといっても過言ではありません。適材適所でツールを使用するには、計画的な準備が不可欠です。本記事では、採用ツールが持つそれぞれの特徴や準備を始めるべき時期について解説します。
2.採用ツールを準備する前に
手当たり次第にいろいろなツールを作っても、採用活動の中で生かせず効果が出せなければ意味がありません。採用ツールを準備する前に、以下の2点を意識しましょう。
① 欲しいツールを決める
まずは自社の採用活動に必要なものは何かを考えて準備するツールを決めます。採用活動において
・何をしたいか
・どのようなことを解決したいか
を明確にし、それらを叶えるため最適なツールは何かを探ることが大切です。
② 採用フローのどこで使うかを明確にする
欲しいツールが決まったら、それらをいつ・どこで使うかを明確にします。自社の採用活動フローを洗い出し、どの場面でどのように使えば求める効果を発揮することができるかをイメージして採用計画に織り込んでいきましょう。
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3.ツール別準備時期の目安
使用する時にしっかり準備が整っているように、どのツールも希望納期から逆算して準備を始めましょう。ツールの種類や内容、発注先の繁忙状況にもよりますが、発注してから納品までおおよそ3カ月を目安にしてスケジュールを立てるのがおすすめです。ここでは、代表的な5つの採用ツールの使用時期の目安を紹介します。準備開始時期を決める際にぜひご参照ください。
① 採用パンフレット
写真と文字を使って会社の全体像や職場内の様子を伝えることができます。紙媒体なので配布した求職者の手元に残り、繰り返し内容を確認することができリマインド効果も期待できます。ターゲットに合わせて内容やデザインを作り込むと、訴求力がより高まります。
<使用シーン>
インターンシップ、会社説明会、学校訪問etc…
<使用時期の目安>
高卒採用:7月~(求人票提出解禁・学校訪問)
大卒採用:6月~(夏インターン)、1月~(冬インターン)
学校訪問やインターンシップの実施時期が準備の一つの目安になります。紙面で使用する写真などの各素材を用意することも考慮してスケジュールを組みましょう。大卒採用においては、近年就職活動の早期化・長期化が顕著になっていることもあり、他社に遅れを取らないためにも採用市場の動向などは常にチェックしておくことが大切です。
(関連コラム:求職者の心を掴む採用パンフレットに必須のおすすめコンテンツ7選)
② 採用サイト
掲載できる情報量に限りがある紙媒体と違い、Webサイトはページ数に制限なく情報を載せることが可能です。求職者にニーズの高いコンテンツに絞って作り込むことで、求職者の興味を引き、自社に対する理解度を上げ、働いている自らの姿をより具体的にイメージしてもらう事に役立ちます。
<使用シーン>
採用広報活動etc…
<準備時期>
就職活動の繁閑の波にとらわれず、年間を通して活用できるツールです。採用計画を立てたら、まずは採用サイト立ち上げの準備を優先しましょう。また、せっかく質の良いサイトができても、ターゲットに届かなければ思うような効果は得られません。Webサイトの制作と同時に、アクセス数をあげるためのSEO対策の準備も忘れずに行いましょう。
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③ 会社説明スライド
求職者に対し、視覚的に自社の魅力を伝えることに長けたツールです。担当者のプレゼンと併せて使用すれば、理解度を深めると共に「この会社、面白いな」「この会社で働いたら有意義な社会人生活になりそう」というリアルでポジティブな印象を与えることができ、採用PRのイベントでは欠かせないツールの一つでもあります。
<使用シーン>
会社説明会、インターンシップetc…
<準備時期>
大卒採用においては、政府は就活スケジュールを「3月1日以降に広報活動(会社説明会受付など)開始」としています。冬インターンや3月解禁の説明会に間に合うよう、希望納期の前年11月~12月頃から動き出して準備をするのがおすすめです。合同説明会などへ参加する場合も、日程に合わせて備えを万全にしておきましょう。
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④ ブース装飾
説明会会場を彩り求職者にアピールするために使用します。会場内で自社の存在感を高めるだけでなく、ブランドイメージの形成や安定感・安心感の演出、ブースの機能性アップなどなにかと便利なブース装飾は、ワンセットは揃えておきたいお役立ちツールです。
<使用シーン>
合同説明会etc…
<準備時期>
アイテムの種類や数にもよりますが、アイテムごとのデザインを決めてから業者での制作に入ることを考えると、希望納期の4カ月~6カ月前には準備を始めることをおすすめします。情報の更新が必要な他のツールとは違い、一度作ってしまえばいつでも何度でも活用可能な所がブース装飾のメリットです。自社の採用活動において強力なサポートツールとなるよう、しっかり作り込みましょう。
(関連コラム:会社説明会でブース装飾が大切な理由とは?デザインの注意点も解説)
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⑤ 採用動画
動画というメディアは今や、新卒採用のターゲットである学生を始め多くの人にとってとても身近な存在です。大きなインパクトや社内の雰囲気や社員の顔が見える親しみやすい構成で、会社に対して興味を持つ大きなきっかけを作ることができる訴求力の高いツールなのです。
<使用シーン>
会社説明会、採用広報活動etc…
<準備時期>
・会社説明会で流す
・採用サイトに掲載する
・採用PRの一環としてSNSや動画配信プラットフォームで配信する
など、多様な使い方ができるツールです。制作期間の目安は1.5カ月とそこまで長くないものの、動画の構成を考えたり、動画内で使用する素材を集めたりと意外と手間暇がかかります。自社の採用計画に合わせて、余裕を持って準備に当たることをおすすめします。
(関連コラム:今注目の会社説明動画とは?おすすめ掲載コンテンツ5選も解説!)
4.まとめ
コロナ禍をきっかけに普及したオンラインでの採用活動は、企業・求職者双方がその利便性や手軽さを感じながらも、コロナ禍の収束に伴い採用のリアル回帰を進める動きがみられます。それはオンライン化を経て、リアルだからこそ伝わる企業の姿や情報、で直接的なコミュニケーション初めて分かる求職者の持つ能力や性質に多くの人が気付いた結果と言えます。これからの時代は、リアルの良さとオンラインの良さを上手に生かしながら採用活動を行うことが、採用成功に向けて欠かせない要素となるでしょう。
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