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採用コラム

他学歴と比べた高卒就職者の離職率
とは?3年以内の離職率まとめ

厚生労働省より公表されている新卒者の離職状況についての資料を基に、高卒者の離職率や離職動向についてまとめました

目 次​

1.はじめに

2.新規学卒就職者の3年以内の離職状況

① 平成31年3月末新卒者(中学~大学)離職状況の比較

② 平成31年3月末から過去5年間の高卒離職率推移

 ③ 平成31年3月末以降の高卒者の離職率

 ④ 産業別高卒者3年以内の離職率

3.早期離職者の退職理由

4.まとめ

1.はじめに

厚生労働省より、新規学卒就職者(新卒者)の離職状況について調査した統計データが公開されています。本記事では、こちらの資料を基に高卒者の離職率についてまとめました。高卒と他学歴との比較や3年以内の離職率の推移、直近の離職率などを取り上げております。高卒新卒者の離職の現状の確認にぜひお役立てください。なお、就職後3年以内の離職率を扱っている関係上、最新データは平成31年3月末卒業者が対象のものとなっています。

(出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します

2.新規学卒就職者の3年以内の離職状況

① 平成31年3月末新卒者(中学~大学)離職状況の比較

学歴別に、新卒者の3年以内の離職率をまとめたものです。高卒者は、大卒者に次ぐ離職率で36%、その内の約半数は1年以内の離職であることが分かります。前年比はそれぞれ

・中学卒:+2.8%

・高校卒:△1.0%

・短大卒:+0.5%

・大学卒:+0.3%

となっており、高卒者のみが離職率が微減しそれ以外は増加しています。

 

② 平成31年3月末から過去5年間の高卒離職率推移

平成27年~平成31年の5年間の、高卒就職者の離職率と就職率の推移です。就職率の増加に対して離職率は徐々に減少しており、5年間で離職率は3.4%ダウンしました。

 

③ 平成31年3月末以降の高卒者の離職率

平成31年以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大もあってか、就職率は一旦減少傾向にあります。離職率でみると、令和2年3月末卒に関しては、入社1年目の離職率は前年比△1.2%だったものの、2年目は前年比+1.6%となっており、2年目までの合計では前年から+0.4%という結果です。

 

④ 産業別高卒者3年以内の離職率

各産業別の離職率の統計も出ています。ここでは、その他に分類された業種を除き、離職率が高い方と低い方からそれぞれ3業種ずつをピックアップしてみました。

 

※()内は前年比

<高い方から3業種>

・宿泊業、飲食サービス業:60.6%(△0.5)

・生活関連サービス業、娯楽業:57.2%(+0.3)

・教育、学習支援業:53.5%(+3.4)

 

<低い方から3業種>

・電気・ガス・熱供給・水道業:10.6%(△1.2)

・建設業20.1%(+8.6)

・金融業、保険業:25.1%(+0.9)

 

電気・ガス・熱供給・水道業が最も離職率は低く、前年比でみてもさらに減少していることが分かります。建設業は、離職率は低いものの前年から+8.6%と大幅に増加しており、今後の動向が気になるところです。

3.早期離職者の退職理由5選

人材が定着するか否かは、事業の安定に大きく影響を及ぼします。なぜ辞めてしまうのか、その理由やポイントをしっかり押さえる事で、様々な早期離職防止策を講じ、定着を図ることが可能になります。以下は、早期離職者の主な退職理由です。

 

① 職場内での人間関係

上司・先輩社員との関わりがうまくいかなかったり、社員同士でトラブルが起きたり、会社内での人間関係のストレスはよく挙がる離職原因の一つです。直接的なトラブルがなくとも、風通しの悪さやコミュニケーションの希薄さも離職に繋がるケースは少なくありません。上司との定期的な1on1面談を実施したり、社内イベントなど業務時間外で社員とコミュニケーションを取れる機会を提供したりしてコミュニケーションを取る機会を増やすことで解決できます。

 

② 労働時間が長い・休日が少ない

十分な休養が取れないと生産性やモチベーションの低下し不満度が上がるだけでなく、法定を超える長時間労働や深夜残業、休日出勤を必要とする仕事量を抱え込んだ場合、心身ともに疲弊して健康状態に影響を及ぼす可能性があります。また、休暇が取りずらい事も退職の道を選ぶ要因となり得ます。休暇の取得が難しい理由としては、仕事量の多さや職場の雰囲気などが考えられます。業務内容や休暇制度の見直しをし、ワークライフバランスの取れた働き方ができる環境を整えることが大切です。

 

③ 業務にミスマッチがある

「入社前に思っていた業務と違っていた」「希望が通らず自分の適性と合わない部署での勤務になった」など、入社前の情報不足によるミスマッチや労働者の適性に合わない雇用は、本来の能力が十分に発揮されず自信の低下につながります。採用活動の段階から、会社案内や採用動画、採用サイトを活用して自社への理解度を高めてもらう工夫をしたり、応募前職場見学を実施して現場の雰囲気や業務に直に触れてもらう機会を設けたりすることで、ミスマッチを軽減することができます。

 

④ 正当な評価を受けられない

労働量や成果に対して人事的な評価や賃金が低いなど、正当な評価がされていないと不満を抱き仕事に対するモチベーションが低下します。特に生活に直結している賃金は、一般水準よりも低く昇給も見込めないとなると離職を考えるのは当然の流れかもしれません。他にも、「残業代やボーナスが出ない」「福利厚生が充実していない」なども同じく不満を抱き会社を辞めてしまう原因となります。人事評価制度や賃金体系の改善を行いエンゲージメントを高めることが求められます。

 

⑤ 育成やフォロー体制が不十分

業務に必要なスキルや知識を十分に身に着けることができていなかったり、分からないことや困ったことを気軽に相談できる・フォローしてくれる人がいなかったり、新卒社員へのサポートが行き届いていないと、仕事でのミスや業務効率の低下につながります。これにより労働者は自信を無くし、結果として離職を選択することになります。特に高卒就職者はつい先日まで高校生だった訳ですから、仕事はもちろん社会生活に適応するのに時間がかかって当然です。環境に馴染み自信をもってそれぞれのポテンシャルを発揮してもらえるよう、育成や新人フォローの体制はしっかりと整えましょう。

4.まとめ

「高卒者は離職率が高い」というイメージを持っている方は少なくないと思いますが、こうして実際の統計データを見てみるとまた印象が変わりますね。統計データや早期離職者の退職理由・対策などを、今後の高卒採用や新卒者の育成等に役立てていただければ幸いです。

 

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