
「入社後の配属が、通知されるまで不透明であり結果が出るまで分からない」この状況を表す言葉に、「配属ガチャ」というものがあります。配属ガチャがはずれるとどうなるのか?それらが及ぼす影響に対する有効な対策法は?これらについて詳しく解説します。
目 次
1.はじめに
2.配属ガチャとは?
3.配属ガチャ「当たり」と言われるケース
4.配属ガチャ「はずれ」と言われるケース
5.配属ガチャが抱える問題点
6.配属ガチャによる問題への対策4選
7.まとめ
1.はじめに
配属ガチャという言葉を聞いたこと・目にしたことがある採用担当者の方は少なくないと思います。これは、新入社員が入社後どの勤務地・部署・職種に配属されるかが通知されるまで分からないことを表す造語です。元々は就職活動者やSNSで一部の人が使っていた言葉ではありますが、企業や社員にとって配属ガチャが大きな影響をもたらすようになり、広く認知されるようになりました。今回は、配属ガチャの詳細や具体例、問題点、問題に対する対策についてのお話です。
2.配属ガチャとは?
配属ガチャとは、入社時に配属される部署や勤務地が不明確で、必ずしも希望が通るとは限らない状況のことを、景品がランダムで手に入るカプセルトイやソーシャルゲームの「ガチャ」になぞらえて作られた言葉です。企業が人員配置や配属を決定する際には、経営戦略や事業計画など道理的な判断のもとで行われるので本来ガチャ要素があるものではありませんが、
「自分の希望が通る確証はない」=「個人の努力ではどうしようもない」
という状況であることを示唆して使われています。就職活動者同志の会話やSNSを通じて広く認知される言葉として広まりました。
3.配属ガチャ「当たり」と言われるケース
主なケースとしては、
・希望の部署(勤務地)に配属される
・人間関係が良好な部署だった
・上司や教育担当者に恵まれている
などが挙げられます。
やはり、自らの希望が叶ったり就業環境が自分にとって居心地の良いもの・成長が感じられるものであることが、「当たり」と捉えられる大きな要素となっています。
4.配属ガチャ「はずれ」と言われるケース
当たりとは逆の状況がはずれと捉えられますが、主に
・希望していた配属先でない
・部署内の人間関係に馴染めない
・上司や教育担当者と相性が合わない
・思い描くライフスタイルの実現が難しい
などが挙げられます。
配属先は企業側の一存で決まり自らの力でコントロールできないので、「はずれ」と感じるとより不満が大きくなる傾向があるのです。
5.配属ガチャが抱える問題点
企業側が様々な要素を十分に考えた人員配置であっても、特に社員側が「はずれ」と感じた場合には、社員・企業双方に様々なマイナスな影響を及ぼします。
<社員側>
「はずれを引かされた」という不満が募り、
・企業に対するエンゲージメント
・仕事に対するモチベーション
が低下するだけでなく、最悪の場合は心身の健康状態の悪影響を及ぼしうつ病などを発症してしまう場合も考えられます。
<企業側>
当該社員のエンゲージメント・モチベーションの低下による生産性ダウンや早期離職が懸念されます。離職となった場合はまた新たな人材を確保するために採用コストがかかったり、人員不足により他の社員が業務過多になってしまったり、広範囲に影響が広がる恐れがあります。離職に至らない場合であっても、当該社員のモチベーション低下につられて部署内の士気が下がったり、人材育成が滞ったりすることもあります。
6.配属ガチャによる問題への対策4選
配属ガチャがもたらす様々な問題に対して企業ができる効果的な対策を紹介します。
① 採用のミスマッチを防ぐ
希望とのズレを防ぐためには、採用の段階から対策を行うことが大切です。まずは候補者の自社に対する理解度アップを図り、意図した人材からの応募を獲得すること、自社が求める人材にマッチした人物を採用することを意識しましょう。会社説明会や求人情報において業務内容や職場環境について十分な情報を提供する、面接時にも改めて企業情報や就業規則などを説明するなど、採用のミスマッチを防ぐようなアクションの実施がおすすめです。
② 新入社員のニーズや希望を意識する
例え希望を100%叶えることが難しいとしても、希望がある者に対してはまずはそれを聞き入れ社員の気持ちに寄り添う姿勢を見せましょう。さらに、希望を確認する際に企業側としての配属の計画や現時点の状況などできる範囲で情報を伝えると、「なぜ自分の希望は通らなかったのか」「伝えた希望を無下にされた」というマイナスな感情を減らすことにも繋がります。
③ 配属後のフォローを行う
配属結果の理由の説明やメンター制度による丁寧な育成など、配属後のフォロー体制を整えることは、配属ガチャのはずれ感を払拭するために重要です。配属先でどのようなことを期待されているのかや、そこでキャリアを積むためのロードマップが明確になることで、配属結果への納得感を高めることができます。
④ 定期的に1on1面談を実施する
配属直後は納得してもらえたとしても、時間が経つと様々な不満やストレスが生まれることはよくありますし、社員自身の希望の変化が生まれる場合もあります。定期的に上司との1on1ミーティングなどを行うことにより、社員の現状と企業が求めるもののギャップを把握することができ、人員配置の見直しや社内環境の改善などより企業力をアップするためのヒントを得られると共に、社員自身のモチベーション維持やエンゲージメントの向上に繋がり、長期的な活躍も期待できます。
7.まとめ
カプセルトイやソーシャルゲームの「ガチャ」になぞらえて生まれた配属ガチャですが、社員がそのガチャに「はずれ」を感じてしまうと、モチベーションや生産性の低下や早期離職など企業としてマイナスな問題が生じる場合があります。それらの問題を防ぐためには、新入社員に寄り添う、人員配置についてある程度オープンにして納得を得る、丁寧なフォローを心がける、など企業としてできる様々な対策がありますので、採用・人事計画を立てる際にはぜひ本記事の内容も参考にしていただければ幸いです!
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