
若者の就労感は、時代や価値観の変化とともに変わっています。本記事では、若手社員が仕事に求めることや、採用・育成・定着を安定させるために企業が意識したいポイントなどを解説します。
目 次
1.はじめに
2.若者の就労感が変化している背景
3.企業が感じやすい“若者とのギャップ”とは?
4.いまの若者が仕事に求めている4つのこと
5.若者の就労感に企業が向き合う4つのポイント
6.まとめ
1.はじめに
若手採用や社員育成に取り組む中で、「最近の若い人は、仕事に何を求めているのだろう」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。働き方の選択肢が広がり、さまざまな情報や価値観に触れながら育ってきた世代だからこそ、企業と若者の間に考え方の違いが生まれることもあります。だからこそ大切なのは、「最近の若者はこうだ」と決めつけることではなく、今の若者がどんなことを大切にして働こうとしているのかを知ることです。
本記事では、若者の就労感が変化している背景、今の若者が仕事に求めていること、そして企業がどのように向き合えばよいのかを分かりやすく整理していきます。
2.若者の就労感が変化している背景
若者の就労感を考えるうえで、まず押さえておきたいのが、育ってきた環境の違いです。
今の若者は、インターネットやSNSが身近にある中で育ってきました。企業のホームページや採用サイトだけでなく、口コミ、動画、SNS、実際に働く人の発信など、さまざまな情報に触れながら仕事や会社を見ています。そのため、企業が伝えたいことをそのまま受け取るだけではなく、「実際はどうなのか」「自分に合いそうか」という視点で判断する傾向があります。
また、社会や経済の先行きが見えにくい時代を見ながら育ってきたことも、仕事への考え方に影響しています。ひとつの会社で長く働くことだけを前提にするのではなく、自分に合った働き方や、将来の選択肢を持てることを重視する若者も増えています。さらに、環境や地域、多様性など、社会との関わり方に関心を持つ若者も少なくありません。仕事を選ぶ際にも、条件面だけでなく、
・どんな考え方の会社なのか
・社会や地域とどう関わっているのか
といった点が見られるようになっています。
3.企業が感じやすい“若者とのギャップ”とは?
若者の就労感が変化していることで、企業側が戸惑いを感じる場面もあります。
・少し受け身に見える
・本音が分かりにくい
・注意すると距離ができる
といった印象を持つこともあるかもしれません。ただ、その背景には、単純に意欲が低いということではなく、価値観や受け取り方の違いがある場合も少なくありません。
今の若者は、まず相手との関係性や職場の雰囲気を見ながら、どう振る舞うべきかを慎重に考える傾向があります。場の空気を読みながら人間関係を築くことに慣れている一方で、最初から本音を強く出すとは限りません。
また、「まずやってみよう」「細かいことは後で覚えればいい」という進め方に対して、不安を感じる若者もいます。何を求められているのか、どこを目指せばよいのかが見えないままだと、動きにくくなってしまうことがあるのです。
こうした違いを、「最近の若者は難しい」と片づけるのではなく、育ってきた環境や価値観の違いとして理解することが、すれ違いを減らす第一歩になります。
4.今の若者が仕事に求めている4つのこと
若者の価値観は一人ひとり違いますが、仕事に対する考え方の中には、共通して見られる傾向もあります。ここでは、企業が押さえておきたい主なポイントをご紹介します。
①自分に合った働き方ができる
仕事に対して消極的・無気力な印象を受けることが多いかもしれませんが、仕事を頑張りたくないわけではありません。ただ、仕事だけに生活を合わせるのではなく、自分の暮らしや気持ちとのバランスも大切にしたいと考える人が増えており、休みの取りやすさ、無理のない勤務体系、安心して続けられる職場環境などは、以前よりも重視されやすくなっています。
企業側は「長く安心して働けるか」という視点で自社の働き方を見直すことが、若手採用や定着につながります。
②仕事に意味や納得感がある
若者の中には、言われたことをただこなすよりも、背景や目的を理解したうえで取り組みたいという意識から、
・なぜこの仕事をするのか
・自分の役割は何につながっているのか
を知りたいと考える人が多くいます。
そのため、仕事を任せるときには、作業内容だけでなく、その仕事の意味や役割も丁寧に伝えることが大切です。納得感を持って仕事に向き合えるようになると、主体性ややりがいも育ちやすくなります。
③自分の考えや個性が尊重される
今の若者は、さまざまな価値観に触れてきた世代です。そのため、職場ではみんな同じであることよりも「違いが認められること」に安心感を持つ傾向があります。
もちろん組織の中でルールや協調性は必要ですが、一方的に価値観を押しつけられると、息苦しさを感じやすい人もいます。若手のやる気を引き出すには、「若い人はこう考えるはず」と決めつけず、その人自身の考え方や感じ方を知ろうとする姿勢が大切です。
④安心して相談できる環境である
若者が仕事を続けていくうえで大切にしているものの一つが安心感です。これは、厳しさを避けたいということではなく、「困ったときに相談できるか」「自分のことを気にかけてもらえているか」といった、職場の基本的な信頼感を求めているということです。
特に入社後しばらくは、仕事だけでなく、人間関係や社会人生活そのものに不安を感じやすい時期です。その時に若手が質問や相談をしやすい環境があるかどうかは、定着に大きく関わってきます。
5.若者の就労感に企業が向き合う4つのポイント
若者の就労感が変化している今、企業に求められるのは、特別な制度を増やすことだけではありません。日々の関わり方や伝え方を少し見直すだけでも、若手の受け止め方は大きく変わります。
①仕事の背景や意味を丁寧に伝える
若手に仕事を任せるときは、「何をするか」だけではなく、「なぜ必要なのか」まで伝えることが大切です。仕事の意味が見えると、自分の役割を理解しやすくなり、前向きに取り組みやすくなります。
②一方通行ではなく対話を意識する
若者とのコミュニケーションでは、「教えること」だけに意識が向きすぎると、相手が受け身になってしまうことがあります。面談や日々の会話の中では、「どう感じているか」「どこで困っているか」を聞きながら進めることが大切です。無理に本音を引き出そうとするのではなく、まずは上司や先輩の側が自分の考えや経験を率直に伝え、安心して話せる雰囲気をつくることが信頼関係につながります。
③一人ひとり違うことを前提に関わる
同じ若手世代でも、仕事に求めるものは人それぞれです。成長できる環境を求める人もいれば、安心して働けることを大切にする人もいます。そのため、世代だけで一括りにするのではなく、その人が何を大切にしているのかを知ろうとすることが重要です。個人差を前提にした関わり方が、若手との信頼関係をつくりやすくします。
④安心して働ける職場づくりを進める
若手の定着には、制度だけでなく日々の職場の空気も大きく関わります。
・困ったときに相談しやすい
・失敗しても一方的に否定されない
・周囲が気にかけてくれる
そうした環境があることで、若手は安心して仕事に向き合いやすくなります。挑戦してほしい、成長してほしいという思いがあるからこそ、その前提となる安心感を職場の中に整えていくことが大切です。
6.まとめ
若者の就労感は、時代や社会の変化とともに少しずつ変わってきています。今の若者は、給与や安定性だけでなく、自分に合った働き方ができるか、仕事に納得感があるか、安心して働けるかといった点も重視する傾向があります。こうした変化は、企業にとって対応が難しいことでは決してなく、これからの職場づくりを見直すきっかけにもなります。仕事の意味を丁寧に伝えること、対話を大切にすること、一人ひとりの違いを前提に関わること。そうした積み重ねが、若手の採用・育成・定着につながっていきます。
若者の就労感を理解することは、若者だけに合わせることではありません。これからの時代に合った、働きやすく力を発揮しやすい職場をつくるための大切な視点です。採用活動や社内の関わり方を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
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