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採用コラム

高卒採用独自のルール「一人一社制」とは?
企業にはどんなメリット・デメリットがある?

「一人一社制」は、大卒や中途にはない高卒採用だけの独自のルールです。なぜ、高卒採用にのみ適用されているのでしょうか?また、企業や高校生にとってはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?今回は、「一人一社制」について詳しくお話します。

目 次​

1.はじめに

2.一人一社制とは

3.一人一社制が定められた背景と現状

4.一人一社制のメリット

5.一人一社制のデメリット

6.まとめ

1.はじめに

高卒採用には、大卒の新卒採用や中途採用とは異なり様々な独自のルールが存在します。中でも高卒採用の最も大きな特徴を作っている一つが「一人一社制」です。これまで高卒採用を行ってきた企業担当者の方ならすでにお馴染みの制度かと思いますが、このルールが作られた背景や、企業の採用活動に及ぼすメリット・デメリットについてはご存じですか?今回は、「一人一社制」の成り立ちや企業・高校生にとってのそれぞれのメリット・デメリットについてお話します。「さらに理解を深めて自社の高卒採用に役立てたい」「高卒採用についていろいろ調べていたが、内容についていまいち理解できていない」という採用担当者の方は、ぜひご一読ください。

2.一人一社制とは

一人一社制とは高卒採用で適用されているルールの一つで、「応募の際に企業は単願を求め、また、学校側も応募開始から一定期間は一人の生徒につき推薦・応募を一社に制限しなければいけない」という制度です。ただし、以下のような場合は他企業や複数企業への応募が可能になります。

・応募した企業から内定がもらえなかった

・応募開始から一定の期間が経過した

複数企業への応募が可能になる時期は、各自治体により都度定められています。

3.一人一社制が定められた背景と現状

1950年代の高度成長期に、高卒採用において公正な選考を保つためにできたルールです。学業が本分の高校生が、多忙な就職活動や過度な就職競争により学生生活に支障が出ないようにこのようなルールな定められ、今現在も国、経済団体、全国高等学校長協会の三者間で申し合わせ事項として残りほとんどに自治体で適用されています。しかし、昨今の情報化社会において、高校生であってもあらゆる情報の中から自らの意思と責任において主体的に職業選択や応募決定をできるようにするべきではないか、という声が増えてきており、一人一社制を見直す動きもみられています。実際2024年4月時点では、1府3県が見直しを図り就職活動開始時点から複数応募が可能になっています。

4.一人一社制のメリット

いまだ多くの自治体で適用されている一人一社制ですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか?企業・高校生それぞれのメリットを解説します。

 

<企業側>

① 採用コストを抑えられる

一人一社制適用下での求人募集の方法は、原則ハローワークの求人票の学校への送付です。求人広告や求人サイトへの掲載、人材紹介会社など外部の有料求人サービスを利用する必要がないため、大卒や中途採用と比べてコスト削減が可能です。また、採用活動期間が短いため採用に係る人件費などの内部コストも抑えられるというメリットがあります。

 

② 採用計画が立てやすい

複数の内定を同時にもらうことのできる大卒や中途と違い、単願応募のため基本的に内定辞退がありません。そのため、辞退を想定して余分に内定を出すなどの対策が不要となり、採用計画の立案・実行がしやすくなります。

 

<高校生側>

① 学業を優先できる

一人一社制は、就職活動の負担を軽減して学校生活に支障が出ないよう配慮するために適用されているものです。また、希望に合う企業の選定・推薦や企業とのやり取りなどは先生が行う他、面接や試験の準備・フォローを手軽に受けられるため、学業を最優先に安心・安全に就職活動を行うことができるのです。

 

② 内定が出やすい

生徒は学校から斡旋を受けた企業に対し学校推薦を受けて応募します。学校と企業は、求人に関するやり取りや過去の実績を通して関係値を築いていますので、「学校側が進めてくれる人材なら大丈夫」という安心・信頼感もあり内定率が高くなる傾向があります。

 

③ 進路指導の先生のフォローが行き届きやすい

もし生徒一人につき複数の企業を同時に受けられる場合、進路指導の先生の業務量は今より膨大になり、生徒へのサポートや企業への対応が十分に行き届かなくなる恐れがあります。一人一社ずつであることにより、すべての就職希望の生徒に対し企業研究や斡旋、相談に対する指導などのサポートを平等に行う環境を整えることができるのです。

5.一人一社制のデメリット

次に、一人一社制の企業側・高校生側それぞれのデメリットを解説します。

 

<企業側>

① ミスマッチが起こりやすい

企業だけでなく高校生側にとっても、一人一社制で特に大きなデメリットは、採用のミスマッチが起こりやすいことです。高卒採用のルール上、企業は生徒と直接接することが基本NGであり、また、生徒は求人票以外の要素で複数企業を比較して応募先を決めることが困難です。そのため、企業も生徒もお互いへの理解度を深められないまま内定・入社してしまうというケースがよくあります。採用のミスマッチは、早期離職を引き起こす主な原因の一つです。企業が「高卒者の離職率が高い」と感じるのは、こうした高卒採用独特のルールが関与しているのが現状です。

 

② 採用スケジュールがタイト

求人票の解禁は7月、選考開始は9月など、一人一社制を含む高卒採用ルールでは、採用のスケジュールも厳密に定められています。企業は、初夏頃のハローワーク主催の高卒採用説明会の参加から徐々に採用活動をスタートしますが、求人募集を出して内定を出すまではわずか3ヵ月弱しかありませんので、学校訪問や職場見学会の実施、応募受付、選考・内定と、非常にタイトなスケジュールの中で採用活動を進めなければなりません。

 

<高校生側>

① 企業の選択が狭まる

「ハローワークに求人票を出している企業の中から学校推薦で一社に応募する」という特性上、高卒求人を出しているあらゆる企業の中から自由に応募先を選ぶことはできません。そのため、就職先候補の選択肢は狭まりがちです。また、同一の学校から一人しか応募できないため、成績やその他の事情などにより応募したい生徒が受けたくても受けられず、応募前から企業選択が制限されてしまうというケースも少なくありません。

 

② 就活スケジュールがタイト

企業から求人業が提出される7月が就活のスタートです。そこから2ヵ月弱で応募先を決定し、就活スタートから3ヵ月も経たないうちに就職試験を受けることになります。短い時間の中で限られた情報を頼りに応募企業を決定することを余儀なくされるだけでなく、企業への理解を十分に深められないまま就職試験に挑むことにもなりかねません。

6.まとめ

高校生を守るため、公正な高卒採用の実施のために定められ実施されている一人一社制ですが、メリットだけではなくデメリットもあるということがお分かりいただけたでしょうか?今の時代背景や、成人年齢が18歳に引き下げられたことなども含めて、今後内容の見直しや廃止を決断する自治体が増えてくるかもしれませんが、まだまだ現行で施行されていく重要な制度です。しっかり理解して臨むことで、効果的なアピール方法や効率的な採用活動に繋がります。高卒採用成功にためにも、ルールの内容や制度の変更などの情報をこまめにチェックして御社の採用活動にお役立てください。


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