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採用コラム

福島県と全国の最低賃金を比較!
引き上げが企業に及ぼす影響も解説

最低賃金は、毎年10月頃に改定内容の運用が開始されます。2023年10月にも例年通り改定が実施され、上げ幅の全国平均は42円と大きく額を伸ばしました。今回は、最近の最低賃金の推移と最低賃金が引きあがることにより企業にどのような影響がでるのかを解説します。

目 次​

1.はじめに

2.福島県と全国の最低賃金比較(過去6年分)

3.最低賃金引き上げによる企業への影響はあるの?

4.最低賃金引き上げに向けての採用対応策3選

5.まとめ

1.はじめに

最低賃金は、上げ幅に差はあるものの毎年引き上げが実施されており、毎年10月頃に最新の改定内容の運用が始まります。特にここ数年は上げ幅も大きくなり、労働団体の連合が2035年までに時給1,600円を超える水準まで段階的に引き上げる目標を掲げる方針を固めるなど、注目度は以前に増して高まっています。また、最低賃金法の違反にはペナルティが課さますし、違反が発覚すれば企業の社会的信用も大きく損ないかねませんので、引き上げ時期は特に注意して給与の見直しなどを行う必要も出てきます。本記事では、ここ数年の福島県及び全国の最低賃金の推移と、最低賃金引き上げが企業に及ぼす影響などを紹介します。

2.福島県と全国の最低賃金比較(過去6年分)

次のグラフは、福島県の最低賃金額と全国の平均額の推移を表したものです。年度毎の全国最高額と最低額も併せて記しています。

 

<最低賃金の推移(平成30年~令和5年)>

(出典:厚生労働省 地域別最低賃金全国一覧


令和5年度の改定で福島県の最低賃金額は900円に上がりました。東北では宮城県に次いで二番目に高い金額(山形県と同額)ですが、全国の単純平均から見ると低めの水準で推移していることが分かります。最低賃金額の高い首都圏等よりも額の低い地方のほうがより上げ幅が高い傾向にあり、福島県は昨年度からは42円、平成30年から比較すると128円アップしています。ちなみに、上げ幅最高額は島根県・佐賀県の47円です。

3.最低賃金引き上げによる企業への影響はあるの?

① 人件費の増加

賃金の最低ラインが引き上げられることにより、労働者一人当たりにかかる人件費があがります。改定後の最低賃金額よりも下回った賃金設定の労働者には賃上げが必要となり、その分企業の負担が増えることになります。

 

② 採用活動の難易度アップ

最低賃金改定後の賃金の見直しでは、最低の基準に合わせる、改定を機に大きく給与アップを図る、など企業によって様々な対応がなされます。求職者にとって給与額は応募先選定の大きな指標となりますので、最低賃金額と同等のラインで設定している企業の場合、採用の難易度が上がることが考えられます。また、これまで他の企業よりも高めの給与設定だったものの、改定後に他企業が賃上げを行ったために差がなくなり訴求力が弱くなるというケースもあります。

 

③ 扶養内で働いている従業員のシフト減

扶養の範囲内で働くために得られる収入の上限は決まっているため、それを越えないようにシフトを決める必要があります。時給が上がるとこれまでと同じ労働時間では収入の限度額を越えてしまうため、シフト減を余儀なくされるケースも考えられます。シフト減の分の人手を正規社員でまかなったり、さらなる労働力の採用を検討したり、様々な対応を求められることになります。

 

④ 正規社員のモチベーション低下

最低賃金の引き上げによる賃上げの対象となる労働者が、最低ラインぎりぎりのパート社員などの非正規社員のみの場合、賃上げ対象外の正規社員のモチベーションは否めません。また、③のようにシフト減が起きた場合、正規社員の負担増に繋がり仕事・会社に対する不満が募るというケースも考えられます。

4.最低賃金引き上げに向けての採用対応策3選

最低賃金引き上げによる企業へのマイナス影響に対する有効なおすすめ採用対策を3つ紹介します。

 

① 他社との差別化の強化

求人の書き方や伝えるために使用する媒体を見直し、求職者へ自社の強み・魅力をしっかりと伝えられるような工夫を取り入れるのがおすすめです。自社ならではの魅力を明確にして他社との差別化を図ることができれば、応募者数や求める人材を採用できる精度がアップし、人員配置の適正化や採用コストの無駄削減に繋がります。

(関連コラム:自社の強みの見つけ方3選を解説!応募に繋がる伝え方のポイントも

 

② 引き上げ前の採用

引き上げを機に大幅な賃上げを行う企業が出てくると、賃上げが難しい企業との給与額に大きな差が生じ、採用難易度が上がります。引き上げ前のまだ差額が小さい内に採用活動を行うことで採用競争の勝率がアップし、求める人材を獲得できる可能性は高くなります。採用後、最低賃金引き上げのタイミングでは、給与額の見直しを忘れずに実施しましょう。

 

③ 生産性アップ

既存社員のスキル向上や設備投資を行い生産性をアップさせることも、最低賃金額引き上げに対して有用な手段です。既存・新規採用の社員の人件費が上がっても、業務効率や生産性が上がることで労働時間の短縮や人員配置の適正化ができ、結果としてかかるコストを押さえることができる場合があります。 

5.まとめ

企業にとって最低賃金の引き上げは、人件費の底上げによりコスト増や採用難易度のアップなど様々な影響があります。懸念される影響を考慮した採用対策を講じることで、マイナスの影響をプラスに転じるチャンスとなり得ることも考えられます。本記事で紹介した最低賃金の推移データやおすすめ対策を参考に、次の改定時期に向けて様々なアクションを検討してみてください。

 

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