近年、副業人材を活用する企業が増えてきていることをご存知でしょうか?今回は、副業人材が新たな採用スタイルとして徐々に需要が増えてきている背景や活用のメリット・デメリットについてお話します。
目 次
1.はじめに
2.副業人材が注目されている背景
3.副業人材の活用スタイル3選
4.副業人材を採用するメリット
5.副業人材を採用するデメリット
6.まとめ
1.はじめに
「副業人材」とは、本業の勤務時間外を利用して別の仕事をして収入を得ている人材です。これまでは、就業規則にて原則禁止にしている企業も多くほとんどの労働者にとってはあまりなじみのない働き方でしたが、近年、従業員の副業を容認したり自社の新たな労働力として受け入れたりする動きが出てきたことで、それに伴い副業人材の数も増加してしてきています。今回は、副業人材が注目されてきた背景や活用のメリット・。デメリットについて解説します。
2.副業人材が注目を集める背景
少子高齢化に伴い日本の生産人口は年々減少しており、2000年には8,622万人程いた生産人口は、2060年には4418万人と約半数にまで減少すると予想されています。この深刻な労働力の減少や、近年の働き手側のニーズや価値観の多様化が背景にあり、政府は副業・兼業やテレワークを推進する方針を明確化しました。これにより、長らく主流だった終身雇用(一つの会社に従事する)を見直し、就業規則を改定して副業・兼業を原則容認とする企業が徐々に増えてきているのです。また、経済産業省の研究・発表によると、コロナ禍にさらに需要が高まり2021年には副業・兼業人材は800万人を越え、コロナ禍収束後も約9割は副業・兼業を継続する意向を示しているとのことです。このことからも、企業と労働者の新たな関わりの形や働き方の多様化が徐々に受け入れられてきていることが分かります。
3.目的別おすすめ動画スタイル5選
では、実際に副業人材を活用する場合には、どのように自社の業務に関わってもらうのがベストなのでしょうか?以下、副業人材の主な活用スタイルを3つ紹介します。
① タスク型
特定の納品物や期間限定の業務などの限定的かつ具体的な仕事をまかせる、外注やアウトソーシングに近い方法です。専門的な知識・スキルを持つ人材に得意分野の仕事をピンポイントで依頼したり、逆に特定のスキルを必要としない簡易的な入力作業などの業務を依頼することもあります。短期間で完了する仕事なので、本業の合間や家事育児のスキマ時間を利用したいと考えている人材に向いているスタイルです。
<業務例>
・ミニコラムの作成
・ロゴデザイン
・アンケートの集計
・請求書データの入力
② プロジェクト型
新規事業やイベント、システム開発など業務上のプロジェクトを一つの単位として仕事をまかせるのがプロジェクト型です。中長期的に事業に携わり、担う責務も正社員と同様のレベルを要する事が多いため、経験値や知識、ノウハウが豊富な人材に向いています。新たな分野や取り組みに着手する際のサポート役として、時には導き手となって事業へ貢献してくれることが期待できます。
<業務例>
・自社サイト立ち上げ・運用
・社内システム開発
・新商品のマーケティング
③ ミッション型
成果物は限定せずに、経営の課題解決や人材育成、ブランディングなど大きな目的のための業務をお願いするものです。より会社に深く関わり、業務内容によっては今後の企業運営に大きく影響を及ぼしますので、採用する人材についてはより高精度な見極めが必要です。前例踏襲や習わしから、既存の社員など内部の人材だけでは課題解決に一歩踏み出すことが難しいケースはよくありますが、外部の優秀な人材を副業人材として採用することで新風を呼び込み、より良い成果を上げることができるかもしれません。
<業務例>
・認知度向上のためのブランディング施策
・大手企業人事経験者による人材開発
・外資系マネジメントのノウハウを持つ人材による業務改革
4.副業人材を採用する4つのメリット
注目の副業人材は、採用すると以下のようなメリットがあります。
① 即戦力となるスキルを持つ人材を採用
すでに必要なスキルを持つ人材をピンポイントで採用することで、育成時間やコストをかけずに即戦力として業務をまかせることができます。また、複数の仕事をこなすことを自ら選んだ彼らは、スキルだけでなく仕事に対する意欲も高い者が多く、その力を存分に発揮してくれることが期待できます。
② 必要な人材を必要な時のみ確保可能
業務に繁閑の波があると、人手の不足・余剰にばらつきが出て人員配置のバランスが上手くとれない場合があります。しかし、契約期間を柔軟に決めることができる副業人材であれば、繁忙期のみ働いてもらうなど適材適所の対応が可能になります。必要な時に必要な分だけのマンパワーを確保できることは、正社員の負担軽減やモチベーションの維持・工場に繋がります。
③ 採用ターゲットの拡大
通常の採用の場合はターゲットは就職・転職を希望している人に限られますが、副業人材は現在職を持っていて今の仕事をこれからも継続していくという人も募集・応募の対象となるので、求める人材との出会いの幅が広がります。
④ 採用のミスマッチの軽減
具体的な業務に対して特定のスキルを持つ人材を募集することが多いため、応募する側も求められているものや従事する業務に対してある程度の理解を持って臨むことができ、ミスマッチのリスクを軽減できます。また、有期契約での採用なので例え入社後のミスマッチがあったとしても損失は少なく済みます。
5.副業人材を採用する2つのデメリット
様々なメリットが得られる副業人材の採用ですが、以下のようなデメリットもあります。
① 限られた勤務時間で仕事が限定的
労働法により、法定労働時間は「1日8時間、1週間40時間」と決められています。それを越える労働は原則できませんので、すでに本業を持っている副業人材には、正社員と同等の労働時間や業務量は期待できません。稼働可能な時間や力量を考慮して依頼する業務内容や業務量を決めることが重要です。
② コミュニケーション不全に陥りやすい
勤務時間が限定的であったり、テレワークで直接顔を合わせる機会が少なかったりすると、十分なコミュニケーションが取れないことが懸念されます。また、正社員や専従のスタッフと比較すると、所属意識が希薄な傾向もあります。進捗の確認や業務に関する質問や悩みを聞くなど、定期的かつ意識的にコミュニケーションを図り、パフォーマンスを維持できるようサポートすることを心がけましょう。
6.まとめ
人材不足解消を願う企業側はもちろん、さらなる労働機会を求めている労働者にとっても、副業人材の活用は新たな企業運営の形や働き方の可能性を秘めています。メリット・デメリットを理解し、自社にあった副業人材活用スタイルを選ぶことが大切です。採用戦略の新たな選択肢の一つとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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