マーケティング手法の一つ「ジャーニーマップ」を採用に取り入れた採用版ジャーニーマップをご存じですか?今回は、採用版ジャーニーマップの作成のポイントや効果について詳しくお話します。
目 次
1.はじめに
2.「ジャーニーマップ」とは?
2.採用ジャーニーマップ作成の4つのポイント
4.採用ジャーニーマップの3つの効果
5.まとめ
1.はじめに
採用活動の効果を高めるため、求める人材へのよりよいアプローチのため、採用活動に様々なマーケティング手法を導入する企業が増えていますが、中でも、手軽に導入でき様々な効果が得られるとしてよく用いられている採用版ジャーニーマップという手法はご存じですか?今回は、採用版ジャーニーマップについてと作成のポイント、得られる効果について解説します。
2.「ジャーニーマップ」とは?
商品やサービスを顧客が認知してから購入・利用に至るまでの思考や行動をプロセスごとに分析・可視化したもので、そのプロセスを辿ることを旅に例えて「顧客の旅の地図=カスタマージャーニーマップ」と名付けられました。主にマーケティングで用いられる手法で、それぞれのプロセスで何をすればいいのかを視覚的に確認しやすいのが特徴です。主なプロセスには以下の5つが挙げられます。
・認知
・興味、関心
・比較、検討
・購入、利用
・継続
このカスタマージャーニーマップの「顧客」を「求職者」に置き換えてプロセスを採用活動の流れにアレンジすれば、採用のマーケティングやブランディングに役立てることができるとして、採用シーンでも近年注目されるようになりました。
3.採用版ジャーニーマップ作成の4つのポイント
実際に採用版ジャーニーマップを作る際にはどのような点に注意して作成すればよいのでしょうか?以下、作成の4つのポイントを解説します。
① ペルソナを明確にする
ペルソナとは、ターゲットと成り得る架空の人物の年齢や性別、価値観、ライフスタイルなどを細かく設定したものです。自社が採用するべき人物像のペルソナを明確にすることで、その人物の行動や思考の特徴を意識した採用計画が設計できるようになります。
(関連コラム:採用における「ペルソナ」とは?設定時の6つのステップも紹介)
② ゴール(目的)を決める
採用版ジャーニーマップを作成してどのようなことを達成したいのか(=ゴール)を決めます。ゴール設計により必要なアクションは変わりますので、認知度を高めるためなのか、応募してもらうのためなのか、などの目的を明確に定めましょう。
③ 情報収集をする
求職者に関するデータや近年の採用市場の傾向を分析したり、自社の若手社員やモデル社員などのペルソナ設定した人物に近しい社員にヒアリングをしたり、様々な方法で情報を集めます。なるべく多くの情報を得ることで、
・どのような行動を取るのか
・何に魅力を感じるのか
・興味関心の対象は何か
について仮説を立てることができ、採用活動で行うアクションを決める際に役立ちます。
④ フレームワークへ落とし込む
①~③ができたら、可視化するためにフレームワークに落とし込みます。横軸にはプロセスを、縦軸にはターゲットの思考や行動・ターゲットとの接点(タッチポイント)・課題・戦略などを配置し、それぞれどのようなアクションを取るのか、ターゲットは何を感じるのかをマッピングしましょう。以下は、採用ジャーニーマップの一例です。ここで使用している項目は一般的な例ですので、必要なプロセスを加えたり縦軸をアレンジしたり、自社オリジナルの採用ジャーニーマップを作成してみてくださいね。
<採用ジャーニーマップの一例>
ペルソナ:製造業志望のUターン学生、地元愛が強い、管理職へのキャリアアップ志望
ゴール:応募の獲得
4.採用版ジャーニーマップの3つの効果
採用版ジャーニーマップを導入すると、具体的にどのような効果があるのでしょうか?以下、3つの効果をまとめました。
① 欲しい人材への効率的なアプローチ
思考・行動の分析結果からターゲットの行動特性やアプローチに必要なアクションが分かるため、より効率的かつ効果的なアプローチが可能になります。しっかりとターゲットを意識した施策なので、企業理解度やエンゲージメントが深く志望度の高い人材を集めることができます。
② 採用のミスマッチの軽減
ジャーニーマップの計画に沿って入社した人材は企業理解度やエンゲージメントが深い状態ですので、「思っていた職場と違う」「期待していたが求めていた人材とは少しずれていた」といった採用のミスマッチが起こりにくいというメリットがあります。ミスマッチを軽減することは早期離職の抑制に繋がり、安定した労働環境作りや採用コスト削減に役立ちます。
③ 採用施策の立案をサポート
ターゲットの心を掴むための課題や必要な戦略が可視化できるため、それらを叶えるために相性のよい媒体や、アクション毎のより効果的なタイミングが分かりやすく、採用施策の立案がしやすくなります。「採用サイトが必須の媒体になりそうだが、いつ立ち上げようか?」「合同企業説明会で課題を克服するために最適なのはパンフレット?それとも動画?」など迷いや取捨選択の機会が訪れた時も、採用版ジャーニーマップを活用すれば採用活動を手助けしてくれることでしょう。
5.まとめ
採用版ジャーニーマップを作成すれば、求職者の目線に立ったアイデアや施策案を出すことができるようになるだけでなく、作成する行為そのものが自社の採用活動を見つめ直しブラッシュアップを図る良い機会にもなります。刻々と変化し厳しさを増す採用市場の中、自社の採用精度を高め成果を挙げるためにも、ぜひ採用版ジャーニーマップを取り入れてみてはいかがでしょうか?
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