昨今の少子高齢化に伴う生産人口の減少などから、人手不足や採用難に悩んでいる企業は多いと思います。そのような状況を打開するための採用手法の一つ「人員計画」というものをご存じですか?今回は、人員計画についてお話します。
目 次
1.はじめに
2.人員計画とは?
3.人員計画の目的
4.人員計画のメリット
5.人員計画のデメリット
6.まとめ
1.はじめに
人材は「人財」とも言われ、企業にとってとても重要な資源です。しかし無計画な採用は、「今自社に必要な人材とは?」「事業を軌道に乗せるためにはいつ何人の人手が必要?」などの重要な部分が曖昧になりがちです。いざ人を採用できたとしても、思ったような結果にならなかったり、早期離職が発生してまた次の採用活動をしなければいけなくなったりと、コストや労力を無駄にしてしまいかねません。そこで活用したい手法が「人員計画」です。今回は、戦略的採用には欠かせないこの人員計画の目的やメリット・デメリットについて解説します。
2.人員計画とは?
人員計画とは、人材に対して長期的な視点で立てる計画のことを言います。企業・事業の10年先を見据えて、どのような人材が必要か、どのような人員配置にするべきかを明確にし、それに基づいて採用・異動・配置を年度ごとに決定して行きます。正社員に限らず、契約社員、パート、アルバイトなど、あらゆる雇用形態を視野に入れ、自社に最適な人材とその人数、配置を考えるのです。
3.人員計画の目的
人員計画を行う主な目的は次の2つです。
① 組織のパフォーマンス最大化
場当たり的な採用・異動を行うと、部署やチーム毎の動きに無駄やムラが生じ理想のパフォーマンスになかなか届かない可能性があります。人員計画を利用すれば、明確な目標の基に採用・配置を行うため、社員側も期待されている働き方や今後のキャリアステップを把握することがで、また、適材適所の人員の配置をすることで社員の個々のスキルアップや生産性の向上に繋がり、組織力をアップすることができます。
② 適正コストの算出
採用時期や人数が明確になるため、年度ごとに採用に係るコストの見通しが立てやすくなり、適正なコストの算出が可能になります。また、突発的な採用や離職による想定外の支出を抑え、その分育成などを計画的に実施することも、人員計画を行う目的の一つです。
4.人員計画を立てるメリット
① 事業・経営計画に合った採用ができる
急な離職による人員不足や業務量に見合わないアンバランスな人員配置は、現場の混乱やモチベーションの低下を招きかねません。人員計画を立てることで、事業拡大のフェーズに入る際には増員、一部の部門に負担がかかる見通しが立っている時にはその状況に合わせた異動、など自社の事業計画・経営計画に合わせた採用ができ、安定した事業活動を維持することができます。
② 目標達成のために必要な事が明確になる
人員計画は、人事などの採用関係者のみで決めるわけではありません。経営陣や現場など様々な立場の人と意見を交わし、自社にとってあるべき姿を明確にしていきます。立案の過程で目標とそのために必要な事が明確化するため、有効な施策を講じることができます。また、目標・計画がはっきりすることでPlan(計画)・DO(実行)・Check(評価)・Action(改善)のPDCAサイクルがうまく回り、人員計画のブラッシュアップにも繋がります。
5.人員計画のデメリット
① 立案後も状況の変化に対して柔軟な対応が必要
計画通りの人員配置が叶わなかったり、社員の離職や経営状況・社会情勢の変化が起きたり、計画を実行している際にも思い通りにいかないことは多々あり、場合によっては、計画の見直しが必要になるかもしれません。決定事項に固執せずに、本来の目的・目標は何か、それを実現するために今自社ができることは何かを考えてそれを実施できるような、柔軟な対応ができる体制を整えておかなけでばなりません。6.まとめ
単年度ごとやその時の状況だけで採用や異動を決めるのではなく、先を見据えた人員計画を立てることによって、経営や事業が安定することはもちろん、社員一人ひとりのモチベーションも維持やフィジカル・メンタルケアにも繋がります。最近経営状況と採用がうまく嚙み合わないと感じている方は、今回紹介したメリット・デメリットなどを参考に自社の採用活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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