厳しいルールが定められている高卒採用では面接での質問にも様々な制限があり、「どんな質問をしたらいいのかわからない」という声もよく聞こえてきます。そんなお困りの人事・採用担当者向けに、高卒面接で使える質問例を10個ピックアップしました。
目 次
1.はじめに
2.面接時に気を付けるべきこと
3.高卒採用面接に最適な質問10選
4.まとめ
1.はじめに
生徒と企業が直接連絡を取り合うことのできない高卒採用において、面接は実際に顔を合わせて会話ができる貴重な機会です。自社に適した人材を見極めるためにも様々な質問をしたいところですが、高卒採用独自のルールがにより実は質問の内容にも制限があるのです。そこで本記事では、高卒採用のルールに抵触しない安心な質問例をご紹介します。
2.面接時に気を付けるべきこと
採用面接では、本人の適性や能力以外の事項を採否の判断基準に含めてはいけないというルールがあり、高卒採用では特にシビアに取り扱われています。これは、面接官の私的感情や生徒本人には落ち度のない事柄などによる就職差別を防ぎ公平な選考が行われるために厚生労働省が定めているものです。具体的には、以下の11項目が就職差別につながるおそれがあるとして質問が禁じられています。この規定に抵触すると、ハローワークからの指導が入ったり会社の社会的信用を低下させてしまったり、次年度以降の採用活動にも大きな影響を及ぼしますので、細心の注意を払って面接を実施することが重要です。
<本人に責任のない事項>
① 本籍地や出生地に関すること
② 家族に関すること
③ 住宅状況に関すること
④ 生活環境・家庭環境などに関すること
<本来自由であるべき事項(思想や信条にかかわること)>
⑤ 宗教に関すること
⑥ 支持政党に関すること
⑦ 人生観・生活信条に関すること
⑧ 尊敬する人物に関すること
⑨ 思想に関すること
⑩ 労働組合に関する情報、学生運動など社会活動に関すること
⑪ 購読新聞・雑誌・愛読書に関すること
3.高卒採用面接に最適な質問10選
「では、質疑応答では一体何を質問したらよいのか?」「何も質問できないのでは」と頭を悩ませた採用担当者の方も多いと思います。ここでは、規定に触れず高校生の適性や能力を確かめることのできる10の質問をご紹介します。これらを基に面接時に使用する質問シートを事前に準備して採用に関わる社員にシェアすることで、うっかり規定に触れてしまう事態を防ぐと同時に、担当者間での採用活動の内容確認や目線合わせにも役立ちます。企業側の面接対策の一つとして、ぜひご参照ください。
① 「弊社を志望した理由を教えてください。」
志望動機は定番の質問です。生徒の自社に対する考えや働く意欲、志望度や熱意などを判断することができます。
② 「どんな仕事をしてみたいですか?」
その人の適性や目標が垣間見え、採用後の配属先を決定する際の参考にすることもできます。「資格取得を希望している」「キャリアプランをしっかり持っている」など、様々な一面も垣間見えるおすすめの質問です。
③ 「簡単に自己紹介をお願いします。」
回答の内容に人となりがよく出る質問ですし、自己分析ができているかどうかやコミュニケーション能力を測る指針にもなります。よくある質問ですが、答える人によって違いが出てその人の魅力や個性といった情報を集めることができます。
④ (職場見学参加者の場合)「実際に社内を見学してみてどうでしたか?」
応募前職場見学を実施していた場合は、応募者が実際に参加者であったというケースも多いかと思います。自らが見て感じたことを言葉で説明するスキルがあるかどうかを見極めることができ、また参加者の率直な感想や疑問点などを引き出すことで自社の今後の採用活動をよりよくするためのヒントを得られるかもしれません。
⑤ 「3年後(5年後)社会人としてどうなっていたいですか?」
質問の通り、生徒が描いているこれからのビジョンや理想とする社会人生活について具体的に知ることができ、自社が描いている経営・人事計画に対してマッチ度が高い人材であるかを判断する材料にもなります。
⑥ 「ご自分の長所を教えてください。」
生徒の自己分析力はもちろん、自身の思う長所を業務でどのように生かすのか、会社にどのように貢献してくれるのかを知ることもできるでしょう。
⑦ 「ご自分の短所を教えてください。」
⑥の短所パターンで、長所・短所をセットで質問するケースも多いです。こちらの質問では、短所を自身でフォローする力や、課題解決に対する姿勢などをみることができます。
⑧ 「高校生活で一番の思い出はなんですか?」
どのようなことを大切にして過ごしてきたのかという事や、人との関わり方などが垣間見える質問です。
⑨ 「学校生活で苦労したことを教えてください。」
自らの力で壁を超えるような経験をして事があるかどうか、また、そうした困難にどのように臨んだかが分かります。問題解決能力やその経験を仕事でどのように生かせるかなど、適性や能力を判断するような質問に繫げることもできます。
⑩ 「何か質問はありますか?」
いわゆる「逆質問」です。生徒が持つ疑問や不安を解消することはもちろん、自社に対しての興味関心の度合いや理解度、臨機応変さなど、様々な点を観察することができる質問です。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?高卒採用の厳しい制限がある中でも採否の判断に有効に使える質問は意外とあります。これらを組み合わせ、自社が求める人材をしっかりと見極めましょう。今回ご紹介した質問例をご参照いただき、企業も生徒も学校も皆が安心できる採用・就職活動にぜひお役立てください。
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