生産人口の減少から、新卒採用市場は年々厳しさを増しています。そんな中、インターンシップを導入し採用に活用する企業が増えています。インターンシップとはそもそもなんのために実施するの?どんなメリットがあるの?そんな疑問にお応えします。
目 次
1.はじめに
2.インターンシップの種類と目的
3.開催のメリットとは?
4.インターンシップを採用に繫げる5つのポイント
5.まとめ
1.はじめに
インターンシップは、主に新卒採用において就活生と直接コミュニケーションをとる場として活用されいています。売り手市場が続き人材獲得競争が激化している昨今特に注目されている手法ですが、大きな労力がかかるだけでなく
・どれくらいの期間で受け入れるのがベスト?
・導入したいけど準備が大変そう
など、いろいろ悩んでなかなか実施に踏み込めないという企業も多いと思います。今回は、インターンシップの目的と実施のメリット、そして採用に繫げるためのポイントを解説します。
2.インターンシップの種類と目的
インターンシップとは、企業に興味を持つ学生を受け入れて実際の業務を経験してもらったり、企業理解を深めてもらったりする職場体験のことです。目的により実施期間が異なり、その期間によって大きく3つに分類されます。
① 短期インターンシップ
<実施期間>
1日
<目 的>
1日だけの開催で気軽に参加することができるため、母集団形成のために多くの学生の集まってもらうことや、認知度を高めることが主な目的です。
<主な内容>
会社説明やセミナー、グループワークなどを主として企業や業界への理解を促すようなプログラムを組みます。
② 中期インターンシップ
<実施期間>
数日~1ヶ月程度
<目 的>
企業や業界への理解度と自社への志望度を高めることが目的です。また、ある程度の時間を一緒に過ごすことができるので、企業の学生に対する理解度も上がります。
<主な内容>
セミナーやグループワークに加え、疑似的な業務体験を行ってもらうなどより実践的な内容を取り入れます。
③ 長期インターンシップ
<実施期間>
1ヶ月以上
<目 的>
中期型よりもさらに企業理解を深める他、企業側が学生への理解を深めたり採用後の即戦力となり得る人材を育成することが主たる目的です。また、採用内定後のオンボーディング期間として実施する企業もあります。
<主な内容>
社員の一員として、既存社員とコミュニケーションをとりながら実際の業務に携わってもらいます。実際に労働してもらうので、時給や日給で給与を支払うケースがほとんどです。
3.導入の4つのメリット
手間やコストがかかるインターンシップですが、それでもなお注目され導入する企業が増えてきているのは、以下のような大きなメリットがあるからです。
① 学生との早期接触
実施時期にもよりますが、インターンシップに参加する学生の多くは就職活動をひかえている大学3年生です。就職活動開始前の早い段階で自社の存在をアピールすれば、以下のようなチャンスにも恵まれます。
・より多くの学生との出会い
・より優秀な人材との出会い
・志望度の高い若手人材の確保
② 自社の認知度の向上
どんなに素晴らしい商品・実績・労働環境があっても、求職者に自社の存在や求人情報を認知してもらわなければ思うような採用はできません。特に中小企業の場合はそれが顕著だと思います。インターンシップで学生に直接アピールすれば、企業理解も得ることができ認知度・志望度共にアップすることが期待できます。
③ ミスマッチの抑制
自社のリアルな姿や今後のビジョン、求める人材やスキルを直接伝えて企業に対する理解を深めてもらうことで、参加した学生は自分が実際に働く姿などをより鮮明にイメージすることができます。そのためインターンシップを経験して志望してくれる求職者は入社後のミスマッチが起こりにくく結果として早期離職を抑制し人材の定着にも繋がります。
④ 人材育成の強化
特に中・長期インターンシップでは、学生は実際の業務を体験することが多く入社前に基本的なスキルや知識を学ぶことができますが、スキルや経験がほとんどない状態の学生を受け入れる企業側にとっては、特に入念な準備を必要とするため係る労力も大きいです。指導する側の社員は
・業務を分かりやすく説明するためにはどうしたらよいか
・安心して職場体験してもらうためのサポート体制について
などを試行錯誤しながら学生に接することになりますが、実はこれらの経験は育成・指導におけるマネジメント力の強化にとても効果的です。関わった社員のみならず、会社全体が成長する大きなチャンスとなる訳です。
4.インターンシップを採用に繫げるポイント
インターンシップは、開催して終わりではありません。導入の最大の目的はもちろん採用です。学生の満足度を高め効果的に採用に繫げるポイントを以下の5つにまとめました。
① 実施目的や目標を明確化する
計画時に社内で目的を明確化し共有すると共に、参加者である学生に向けても、インターンシップ開催の目的や終了までに達成してほしい目標などを明確に提示するようにしましょう。そうすることで、企業側の意向に賛同した学生が集まり、インターンシップで自らが達成すべき目標に向かって意欲的に取り組んでくれることでしょう。ポジティブで有意義な体験をすることで、満足度を高めてくれます。
② 体験型のプログラムを取り入れる
座学や見学など受け身なものだけでなく、実際の業務に触れる体験型のプログラムを取り入れましょう。企業の一員として関わったと実感できると、学生の志望度や会社に対するエンゲージメントはグッと上がります。短期のインターンシップの場合でも、短時間のワークショップを組み込むだけで十分効果があります。
③ 社員とのコミュニケーションの場を設ける
社員との座談会を設定したり、中・長期期間の実施の場合は社員と学生がチームとなって業務を行うようにしたり、社員とコミュニケーションを取れるような場を設けましょう。現場の人と触れ合うことで気軽に不安や疑問を解消できる環境を作ることができ、また、ロールモデルとなる身近な存在に接することで、学生は自身の働く姿やキャリアをイメージしやすくなります。
④ 参加者個人に対してのフィードバックを行う
最終日や全日程の終了後などに、参加者一人ひとりに対してフィードバックの場を設けるようにしましょう。初めての経験やたくさんの学びあった中で、実際の社会人と学生である今の自分とのギャップを感じる参加者も多いと思います。インターンシップをやり切ったことに対して労いの言葉をかけると共に、良かったところやこれからの課題点についてのアドバイスなどを伝えれば、「この会社なら安心して働きながら成長していけそうだ」という思いを抱き応募してくれるきっかけを作ることができます。
⑤ 終了後も定期的なフォローを入れる
インターンシップ終了後も実際の募集・選考まで定期的なフォローを行い、参加者たちの志望度やエンゲージメントをキープできるようにしましょう。直接集まる機会を設けたり、オンラインでカジュアルな勉強会や相談会を開くなど様々な方法があるかと思いますが、どのような手段であっても、企業と参加者の社会的な繋がりをインターンシップだけで終わらせないようにするということが大切です。
5.まとめ
単なる会社説明や職業体験ではなく、目的・目標の設定やプログラムの組み方次第で自社のファンを増やし採用活動を有利に進めることができるのがインターンシップの魅力です。他社と差を付けるための自社アピールや自社に適した人材の見極めのために、これを機に導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
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