
目 次
1.はじめに
2.2025年の最低賃金引き上げはいつ?
3.2025年度最低賃金改定・引上げ額の目安
4.最低賃金大幅アップの背景
5.地方企業への影響と対応策
6.まとめ
1.はじめに
2025年(令和7年度)、最低賃金の改定は過去最大規模の引き上げになる見込みで、全国平均で1,118円、引き上げ額は63円と過去最高水準です。労働者の生活改善や賃金格差の是正を目指す一方で、企業にとっては人件費の上昇という大きな負担が現実的な課題となります。本記事では、改定時期や具体的な目安額に加え、大幅アップの背景や地方企業に求められる対応などを解説します。
2.2025年の最低賃金引き上げはいつ?
最低賃金の改定は例年、夏から秋にかけて段階的に進行します。
7月上旬:中央最低賃金審議会が改定目安を答申。
7月下旬~8月:各都道府県の地方最低賃金審議会で、地域の経済実態・賃金水準・中小企業の状況を踏まえた審議を実施。
9月中旬~下旬:各都道府県労働局が正式に告示。
10月頃:改定後の最低賃金が施行され、企業は新しい基準に合わせた賃金計算が義務づけられる。
最低賃金の適用は通常開始は10月1日がほとんどですが、都道府県ごとに異なる場合があり、特に今回の改定では、その引き上げ額の大きさから施行時期を例年より大幅に遅らせることを検討している自治体もあります。しかし多くの場合は施行が10月頃に集中するため、早めに人件費シミュレーションを進めることが経営リスク回避につながります。
3.2025年度最低賃金改定・引上げ額の目安
中央最低賃金審議会が答申した2025年度の引上げ目安は、都道府県を A~Cランクに区分すると以下の通りです。
・Aランク(大都市圏:東京・神奈川・愛知・大阪など6都府県)
引上げ額:+63円 平均上昇率:5.6%
・Bランク(中核都市圏:北海道・宮城・福島・京都・広島など28道府県)
引上げ額:+63円 平均上昇率:6.3%
・Cランク(地方圏:青森・秋田・山形・鳥取・沖縄など13県)
引上げ額:+64円 平均上昇率:6.7%
この結果、全国加重平均は 1,118円(前年比+63円)となり、昭和53年の目安制度開始以来最大の引き上げとなります。引き上げが適用されると、パート・アルバイトなどが最低賃金に近い賃金設定の場合の即時対応や契約更新・基本給の見直し、人件費上昇への対策などが必要になります。
4.最低賃金大幅アップの背景
2025年の大幅引き上げには、主に以下4つの背景が考えられます。
①物価上昇と生活費の増大
食料品やエネルギー価格の高騰により消費者物価指数は高止まりしており、政府は「物価を上回る賃金上昇」を最低賃金の目標に掲げています。
②人材確保難の深刻化
地方では人手不足が慢性化し、最低賃金付近では人材が集まりにくくなっています。結果として、企業は賃上げなどの待遇改善を迫られています。
③政府・経済界からの強い賃上げ要請
賃金の底上げによる好循環を目指す政策の一環として、最低賃金引き上げは政労使一体で推進されています。
④地域間格差是正の動き
東京と地方の賃金格差は依然大きく、今回の改定ではCランクが相対的に高い引上げ幅(+64円)を示すことで地方の賃金底上げを促しています。
5.地方企業への影響と対応策
最低賃金の上昇は価格競争の厳しさや人材確保の難しさから、地方企業のほうが影響を強く受けるケースも少なくありません。ここでは、最低賃金引き上げがもたらす主な影響と、企業が取り得る対応策を紹介します。
<想定される主な影響>
①人件費負担の増加
最低賃金が上がると、時給だけでなく社会保険料や残業代、賞与なども自動的に増えていきます。特に飲食や小売、介護など人件費の割合が高い業種では、経営を直撃するリスクが高まります。
②価格転嫁の難しさ
地方市場は都市部以上に価格競争が厳しく、安易に値上げはできません。お客さまの購買力も限られているため、原価や人件費の上昇分をそのまま価格に反映しづらいのが現実です。特に製造業など下請け色の強い業界では、取引先との交渉が難しくなります。
③採用・定着の課題
近年の最低賃金の上昇で、都市部と地方の給与差は少しずつ縮まっています。その結果、給与水準だけでは人材を引きつけにくくなり、働きやすさや福利厚生、柔軟な働き方といった部分が、採用の決め手になるケースが増えています。
<企業が取り得る対応策>
最低賃金の上昇に正面から対応するためには、短期的な施策と中長期的な取り組みを組み合わせることが不可欠です。
・短期的にできる対応
①コスト構造の見直し
固定費と変動費を見直し、外注・業務委託など柔軟な形態を検討することでを抑えやすくなります。
②助成金の活用
厚生労働省の「業務改善助成金」などを活用すれば、賃上げとあわせてシステム導入や設備投資も進められ
ます。
③簡単なシステム導入
勤怠管理や在庫管理のシステムを導入するだけでも、手間を減らし人件費増をカバーできる場合があります。
・中長期的に取り組む対応
①業務効率化・DX推進
紙ベースの事務作業やアナログ管理を見直し、IT化・自動化を進めることで長期的な生産性向上につながります。
②採用戦略の刷新
給与だけではなく、柔軟なシフト制度やリモート勤務、福利厚生の充実などで働きやすさをアピールすることで選ばれる会社づくりを目指し、人材確保・定着を図ります。
③価格転嫁の工夫
単純な値上げではなく、「地元産素材の利用」や「環境配慮」といった付加価値を添えることでお客さまに納得してもらいやすくなり、他社との差別化を図ると共に価格以上の価値を提供します。
6.まとめ
2025年度の最低賃金は、全国平均で1,118円と過去最大の引き上げが予定されています。背景には物価高、人材確保の難しさ、そして地域格差是正の政策的意図があります。企業にとっては大きなコスト増となる一方で、人材戦略や業務効率化を進めるきっかけにもなります。特に地方企業は、給与以外の魅力づけやDXによる生産性向上が今後の競争力を左右するでしょう。
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