福島の採用に関する情報をお届け

採用コラム

頼れるベテランを戦力に!
シニア人材を活かす企業づくりのヒント

少子高齢化による生産人口の減少が深刻化する昨今、人手不足対策や企業の強みづくりのためシニア人材を活用する動きが出ています。今回は、シニア人材雇用の注目の理由や活用のコツを解説します。

目 次​

1.はじめに
2.シニア人材の雇用が注目されている理由

3.シニア人材活用の4つのメリット

4.シニア人材活用の4つのデメリット

5.シニア人材活用の注意点

6.まとめ

1.はじめに

少子高齢化が進むなか、日本では働く人の数が年々少なくなってきています。そんな中、これからの企業活動においてますます大切になってくるのが「シニア人材」の活用です。人手不足を補うだけでなく、長年の経験を持つシニアの力をどう生かすかは、会社の強みづくりにもつながっていきます。本記事では、なぜ今シニア人材が注目されているのか、そのメリットや気をつけたいポイントなどをわかりやすくご紹介します。

2.シニア人材の雇用が注目されている理由

近年、企業がシニア人材の雇用に注目している背景には、いくつかの社会的・経済的要因が重なって存在しています。以下では、特に大きな影響を与えている4つの要素について詳しく解説します。

 

① 高齢化社会の進行

総務省の統計によれば、65歳以上の高齢者は総人口の約3割に達しており、将来的には3人に1人以上がシニア層になる見込みです。このような人口構成の変化により、「シニア=引退」というこれまでの常識は見直されつつあります。社会全体としても、年齢を理由に労働の場から退くのではなく、可能な限り長く活躍してもらうという方向にシフトし、企業にとっても、このような人口動態の変化は新たな人材戦略を考えるきっかけとなっているのです。

 

② 年金制度の見直しや定年延長

近年、公的年金制度の持続可能性を確保するための見直しが進んでおり、年金受給開始年齢の引き上げや受給額の調整といった制度改革が続いています。これにより、シニア世代の間でも「年金だけでは生活が不安」「まだまだ働いて収入を得たい」と考える人が増加しており、また、企業側でも定年延長や再雇用制度を導入する企業が増えてきました。こうした制度的背景はシニア人材が長く働く環境づくりを後押ししており、企業としてもその流れに乗って人材活用を検討する動機となっています。

 

③ 人手不足の深刻化

少子化に伴う労働力人口の減少は、多くの業界で慢性的な人手不足を引き起こしています。特に地方都市や中小企業では、若年層の採用が難航しており、求人を出してもなかなか人が集まらないという状況がよく見られます。そのような中で、働く意欲が高く、経験豊富なシニア人材に目を向ける企業が増えているのは自然な流れといえるでしょう。

 

④ 経験や知見の有効活用

長年にわたって蓄積された業務経験や専門知識があるシニア人材は、過去の成功・失敗の両方を通じて得た「現場感覚」を持ち、判断力や対応力にも優れています。そうした知見は、単に業務遂行にとどまらず、若手社員の教育や組織文化の継承といった面でも重要な役割を果たします。企業にとっては、単なる労働力というだけでなく、人的資本の活用という観点からも、シニア人材の価値が見直されているのです。

3.シニア人材活用の4つのメリット

シニア人材を積極的に活用することには、次のようなメリットがあります。

 

① 豊富な経験と専門知識

シニア人材の最大の強みは、長年の職業経験を通じて得た深い専門知識と業界への理解力にあります。たとえば、製造現場では設備の扱いやトラブル対応において圧倒的な判断力を発揮し、営業の現場では顧客との信頼関係の構築に長けています。また、過去の景気変動や組織の変化なども経験してきているため、冷静なリスク管理や柔軟な対応力を持ち合わせており、新人や若手社員にはない安定感を組織にもたらしてくれます。

 

② 安定した労働意欲と責任感

まだまだ働き続けたいと考えるシニア人材は、自らの意志で職場復帰や継続就労を選んでおり、仕事に対する責任感や意欲が非常に高い傾向があります。定着率も高く、短期間での離職が少ない点は企業にとって大きなメリットです。また、与えられた業務を着実にこなし、無断欠勤や遅刻が少ないなど、信頼のおける働き手として評価されています。こうした真面目で誠実な姿勢は、職場全体のモラルや規律を高める効果もあります。

 

③ 若手社員の育成役

豊富な業務経験を持つシニア人材は、若手社員にとって貴重な「生きた教材」となります。現場での仕事のコツや進め方だけでなく、トラブルが起きたときの対応方法や、人とのやり取りの工夫、業界の成り立ちや流れといった、マニュアルには書かれていない貴重な知識を伝える役割を果たすことができます。また、第三者的な立場から若手の悩みに耳を傾け適切なアドバイスをするメンターとしても適任であり、組織全体の人材育成力を高める要素となります。

 

④ コストパフォーマンスの高さ

シニア人材は、必ずしもフルタイムの正社員として働く必要がないという柔軟性を持っています。週に数日の勤務や、特定の時間帯だけの短時間勤務、または業務委託といった様々な雇用形態に対応できるため、企業は業務量に応じた人材配置ができます。また、既に年金を受給している人も多く、高額な給与を求めない場合もあるため、報酬面での交渉がしやすく、コスト面でも合理的な雇用戦略が立てやすくなっています。

4.シニア人材活用の注意点

効果的にシニア人材を活用するためには、単に採用するだけでなく個々の特性や職場環境に配慮した受け入れ体制の整備が重要です。以下の4つの注意点について解説します。

 

① 業務内容の明確化とマッチング

シニア人材が力を発揮できるかどうかは、担当する業務がその人の経験やスキルと合っているかに大きく左右されます。過去に培ってきたノウハウを活かせるポジションを用意することで、即戦力としての活躍が期待できます。採用前には、これまでの職歴・得意分野・希望条件を丁寧にヒアリングして職務内容を明確にした上でマッチングを行うことが重要です。

 

② 健康管理体制の整備

年齢を重ねるにつれ、体力や健康状態には個人差が大きくなってきます。無理な勤務が長く続くと、体調を崩すリスクも高まるため、勤務時間や休憩の取り方などに十分配慮した柔軟な勤務体系の導入が求められます。また、定期的な健康診断を実施して職場として健康維持を支援する体制を整えることで、安心して働き続けられる環境づくりにもつながります。

 

③  ITスキル習得の支援

パソコン操作やITツールの使用に不安を感じている人材に対しては、事前にスキルレベルを把握して業務内容とのマッチングを行うと共に、必要に応じてメールの使い方や、クラウドサービスの操作、社内SNSの利用など、基本的なITリテラシーに対する支援や研修などを実施しましょう。サポート体制の整備を行うことで、不安を軽減しスムーズな業務遂行を支援できます。若手社員が教える「逆メンター制度」のような取り組みも効果的です。

 

④  心理的安全性の確保

職場で安心して意見を言えたり、困ったときに周囲に相談できたりする「心理的安全性」は、どの世代の社員にとっても大切な要素です。若い社員が多い職場では、「年上だから話しかけづらい」「新しいやり方に口出しされそう」など、互いに距離を感じやすくなることもあります。こうしたギャップを埋めるには、世代を越えたコミュニケーションの場を意識的に設けたり、年齢に関係なく意見が言える風通しの良い職場文化を育てたりすることが効果的です。年齢を問わず一人ひとりを「仲間」として迎えるという意識を組織全体で共有することが、安心して働ける環境づくりにつながるのです。

5.まとめ

シニア人材の活用は、今の時代だからこそ注目したい選択肢のひとつです。これからの採用は、「年齢」ではなく「活かし方」がカギになります。会社にフィットするシニア人材との出会いが、思わぬ形で組織の力を底上げしてくれるかもしれません。体力やITスキル、働き方の違いなど、気になる点もあるかもしれませんが、豊富な経験や落ち着いた人柄、責任感の強さなど、シニアの方々ならではの魅力は職場にとってとても心強い存在になります。業務との相性をしっかり見極め安心して活躍してもらえる環境を整えたり、世代を超えたコミュニケーションや理解し合える土壌を築いたり、シニア人材を迎え入れる準備を整えることが大切です。


福島採用.comでは、採用に関するお役立ちコラムの他、採用活動で使える各種ツールの相談も随時受け付けています。「人が集まらず採用が思うようにいかない」「シニア層に響く求人の出し方を知りたい」などのお悩みがありましたら、いつでも気軽にご連絡ください。

新着コラム

人が人を呼ぶ!社員紹介(リファラル)で
優秀な若手を採用するポイント4選

少子高齢化に伴う生産人口の減少により、優秀な若手人材の採用は難しくなる一方です。そんな中、信頼性と定着率の高いリファラル採用が注目を集めています。今回は、リファラル採用に基本や仕組み、運用の手順、成功のポイントについてのお話です。

続きを読む≫

人材不足に悩む地方企業にありがちな
ミスマッチ採用5つの原因と対策

地方企業にとって人材確保は重要課題ですが、採用のミスマッチにより起きる早期離職や定着率低下が課題の企業も少なくありません。本記事ではその原因と防止策を解説します。

続きを読む≫

人材確保の新たな一手!
スポットワーカーが増えている理由とは?

スポットワーカーは短時間で働ける柔軟な働き方で、企業と働き手双方に利点があり、幅広い業界で活用が進んでいます。今回は、スポットワーカーの概要や普及の理由、メリット・デメリットについてお話します。

続きを読む≫

高卒新卒賃上げの背景とは?
福島県の最新求人初任給データをチェック!

少子化や物価上昇などを背景に高卒新卒者の初任給は上昇傾向にあり、福島県も例外ではありません。今回は、福島県の高卒新卒者の賃上げの現状や背景についてのお話です。高卒採用を実施している採用担当者の方はぜひお目通しください!

続きを読む≫

上部へスクロール

高卒採用スターターキット

送信ありがとうございました。

下記のボタンからダウンロードして下さい。