
少子化や物価上昇などを背景に高卒新卒者の初任給は上昇傾向にあり、福島県も例外ではありません。今回は、福島県の高卒新卒者の賃上げの現状や背景についてのお話です。高卒採用を実施している採用担当者の方はぜひお目通しください!
目 次
1.はじめに
2.福島県・高卒者求人初任給の現状
①求人初任給10年間の推移
②令和6年3月卒者・産業別比較
3.高卒新卒者賃上げの背景
4.まとめ
1.はじめに
少子化や地方からの若年層の流出、さらには物価の上昇といった社会的背景のもと、企業の人材確保に対する取り組みが大きく変化しています。特に高卒新卒者の初任給に関しては、近年その賃金水準が着実に上昇しており、地域や業種によっては過去最高水準となっています。本記事では、福島労働局が公表している資料をもとに、福島県における高卒者の求人初任給の現状と、近年の上昇傾向の背景について整理し、地域の雇用環境の変化と企業の対応について考察します。
2.福島県・高卒者求人初任給の現状
福島労働局で公表している資料から、大卒・短大卒・高卒の過去10年間の求人初任給をまとめました。
(出典:福島労働局 新規学卒者の初任給情報)
①求人初任給10年間の推移
10年前からの各学歴のアップ幅は以下の通りです。
大 卒:男性111.5%、女性110.8%
短大卒:男性114.0%、女性116.0%
高 卒:男性113.5%、女性116.2%
大卒に比べ高卒・短大卒の上げ幅が大きいことが分かります。高卒に関しては、令和5年から令和6年で103.7%上がり、これは3つの学歴でトップの上げ幅で、労働市場における需要の高まりを示唆しているとも見て取れます。
②令和6年3月卒者・産業別比較
次に、産業別で求人初任給の現状を見てみましょう。
求人初任給が高い産業(単位:千円)
1.電気・ガス・熱供給業:196
2.農林漁業:194
3.建設業:191
※男女高い方をピックアップしています
求人初任給が低い産業(単位:千円)
1.鉱業・採石・砂利採取業:165
2.情報通信業、不動産・物品賃貸業、生活関連サービス業・娯楽業、サービス業:176
3.金融・保険業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、複合サービス事業:179
※男女低い方をピックアップしています
産業・職種により初任給の差は依然大きく、特に教育業界・建設業・管理職は高水準な傾向があります。令和6年に関してはインフラ系や農林漁業、建設業が比較的高く、電気・ガス・熱供給業は昨年比で110.7%増、農林漁業は112.1%増で、直近で大幅アップを図りトップ3入りを果たしています。
3.高卒新卒者賃上げの背景
前述のデータからも分かるように、近年高卒新卒者の初任給が相次いで引き上げられています。これまで高卒採用の需要が特に高かった中小企業の他、大手企業でも高卒を含む新卒採用者の初任給の大幅アップを行っており、その背景には、
・物価上昇による生活コストの増加
・少子化に伴う若年人材の確保競争の激化
・政府による賃上げ促進政策
・若年層の「働きがい」重視の傾向
などがあります。生活にかかるコスト増により上昇した消費者物価対応のための実質賃金の確保はもちろん、地方では都市部への若者流出が深刻化しており、企業は初任給を引き上げて魅力を高め、地元で働くという選択をしてもらう必要に迫られています。特に介護や製造など人手不足が深刻な業界では、処遇改善の一環として高卒新卒者の待遇向上が進められています。これら複合的な要因により、企業は今後も賃上げを通じた人材確保戦略を強化していくと見られます。
4.まとめ
福島県における高卒新卒者の初任給は過去10年間で着実に上昇しており、令和6年には前年比でも大きな伸びを記録しました。これは、物価上昇や人手不足、政府の政策支援など複数の要因が重なった結果であり、企業にとっても人材確保のための戦略的な対応が求められていることを示しています。今後もこうしたトレンドは継続すると見られ、高卒人材に対する処遇改善やキャリア形成支援が、企業の持続的な成長と地域活性化の鍵となっていくでしょう。
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