採用活動においては、応募を獲得するためにどれだけコストをかけるかが注目されがちですが、採用コストはそれだけではありません。今回はトータルでの採用コストを削減するための3つのポイントについて解説します。
目 次
1.はじめに
2.採用コストの分類
① 募集コスト
② 選考コスト
③ 育成・定着コスト
3.トータルの採用コストを削減する3つのポイント
① 効率のいい媒体を使用する
② 質の良い人材が集まる手段を使う
③ 選考、育成、定着の仕組み化
4.まとめ
1.はじめに
「低コストで効率良くいい人材を確保すること」は、採用活動を行う際の最も重要な課題です。
・いくらコストをかけてもなかなか応募がこない
・早期離職者が多く採用コストがかさむ
・自社の採用活動に見合ったコストがわからない
など、思うような採用ができず頭を悩ませている企業も多いと思います。ここでは、費用対効果を高めるための採用コストの考え方やコスト削減のポイントなどを具体的にご紹介いたします。
2.採用コストの分類
「採用コスト」とひと口に言いますが、細分化すると次の3つに分類されます。
① 募集コスト
② 選考コスト
③ 育成・定着コスト
それぞれ詳しく解説していきます。
① 募集コスト
採用活動の起点となる「募集」ですが、募集媒体の多様化によりどれ使ったらよいのか、費用対効果の高いものはどれなのか、自社にとって最適な媒体を選定することはなかなか難しいです。以下、主要な媒体と媒体別での採用コストの目安を記載します。
・求人広告
紙媒体やネットの求人広告など形態は様々ですが、一般的には新人募集に約50万円、中途募集に約80万円程かかります。
・人材紹介
採用が決定した際に成果報酬を支払うというシステムが一般的で、一人の採用につき約100万円程かかります。報酬の割合やその他条件によってはさらに金額が大きくなります。
・採用サイト
採用サイトを制作している企業に発注をかけコンテンツの作成や運用をしてもらいます。コンテンツの作りこみ具合等で金額に大きな差が生じますが、初期費用で約30万円~100万円程が一般的です。
② 選考コスト
応募者が自社の求める人材であるかどうかを見極め決断する「選考」ですが、そこには選考にかかる人員の「人件費」が発生します。携わる人数やかかる時間によりそのコストは変動します。人員を削減すればもちろんコストは抑えられますが、その分採用活動の質が下がったり採用活動が長期化してしまったりと、結果としてコストがかさむ場合もあります。
③ 育成・定着コスト
採用を決めて迎え入れた新人が戦力となるように「育成」し、長期的に自社へ「定着」してもらうためにかけるコストです。そこには、研修にかかる人件費はもちろん、快適に業務に従事してもらうための環境作りや福利厚生の充実にかかるコストが発生します。
3.トータルの採用コストを削減する3つのポイント
前述した3つのコストをトータルしたものが「採用コスト」です。このコストを適正に削減し費用対効果を高めるための3つのポイントは以下の通りです。
① 効率のいい媒体を使用する
媒体毎の特性を理解し、最も効率的な媒体を選択することが重要です。例えば、求人広告は効果範囲が広く一度の掲載で複数名の採用が見込めるなど手軽に利用できるツールですが、欲しい人材に確実に届くものを選ばないと思ったように応募がこなかったり、求める人材がなかなか集まらなかったりして費用が無駄になってしまうケースも発生します。一方人材紹介は、一人当たりにかかる金額は高めですが必要以上にコストが膨れ上がることがないので無駄な費用が発生しにくく、また、欲しい人材へピンポイントにアプローチできるというメリットがあります。このように媒体にはそれぞれメリット・デメリットがあり、選択を誤ると大きな損失にも繋がりかねません。採用ビジョン・ターゲット選定を明確にし、それを実現するために最適な媒体を選びましょう。
② 質の良い人材が集まる手段を使う
まず「質のいい人材」とはなんでしょう?きっとどのような企業も、仕事ができて勤勉で根気強く長期的に自社へ貢献してくれる人材を求め、そしてそのような人材を「質がいい」と定義していると思います。しかし、当然「仕事」の内容は企業ごとに異なり、また、いくら勤勉で根気のある人でも、勤務体系等にミスマッチが生じると長続きはしません。
・従事してもらう業務を遂行するためのスキルを持っている
・勤務体系にマッチしたライフスタイル
・社風に合っている
など、まずは自社にとっての「質のいい人材」像を明確にしましょう。
さらに、質のいい人材を集めるためには良い媒体を選んで使っていればそれでOKというものではありません。その媒体を使っていかに自社をアピールし、求めるターゲットの心を掴むかが重要です。例えば、
・自社パンフレットを作成して活用する
・部署の紹介や従業員インタビューなど+αの情報を打ち出すことができる媒体を使用する
など、利用する手段を工夫すればターゲットへの訴求力も格段に上がり、また企業理解が深まることで求職者と企業側の採用後のミスマッチをなくすことにも繋がります。数ある求人媒体の中で、どの手段が自社の採用活動にとってベストなのかをよく考え選定しましょう。
③ 選考、育成、定着の仕組み化
「人件費」が大部分のコストを占めている「選考」「育成・定着」ですが、それぞれのコスト削減と効率化において重視すべき点は異なります。「選考」は、時間がかかればかかるほどそこにかかる人件費がかさみ、また、採用活動の長期化により場合によっては募集コストにも影響がでる可能性もあります。欲しい人材や求職者について社内で共有できる「選考シート」を作成するなどシステム化することにより、無駄な時間を省き精度もアップしてコスト削減することができます。「育成・定着」は、人件費と効率化のバランスが重要です。業務マニュアルを作成したり新人の研修制度を充実させたりして業務に必要なスキルをしっかりと身に着けてもらうための育成業務を仕組み化することで、効率よく企業や業務への理解度を深めることができます。しかし効率化を図っただけでは、新人に対してのフォロー体制が不十分になったり、企業への不満が生じたりして、早期離職などなかなかいい人材が定着してくれないという事態が生じます。社員同士がコミュニケーションを取りやすくする環境を整えることや、自社へのエンゲージメントを高め長期的に活躍してもらうための体制や福利厚生を整えることにしっかりとコストをかけることで、トータルでの費用対効果は高まります。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。採用コストの費用対効果を高めるには、
・採用コストの内訳を理解すること
・適正な媒体を使用し、求める人材へ確実に訴求すること
・トータルの採用コストを削減する為の3つのポイントを実践すること
が主なポイントでした。
ただやみくもにコストを削減するだけではなく、抑えるべきポイントをしっかりと理解し適正なコストで無駄のない採用活動をすることが大切です。この記事が、素敵な人材を獲得と御社の活気あふれる事業活動につながれば幸いです。
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