コロナ禍の収束に伴い、採用をオンラインからリアルへと移行する企業が増えています。以前は当たり前だったものの、オンラインの様々なメリットを知った今、なぜ再びリアルへ回帰しているのでしょうか?今回は、その理由とオンラインとリアルの併用例を紹介します。
目 次
1.はじめに
2.採用のリアル回帰が進む理由
3.リアルとオンラインの併用
4.まとめ
1.はじめに
2020年より急速に新型コロナウイルスの感染拡大が進み、採用市場にも様々な影響を及ぼしました。これまでほぼ100%対面で行っていた採用活動も、感染防止の施策としてオンライン化が進み、Web面接などを導入する企業が増えました。導入当初こそとまどいもありましたが、環境さえ整えてしまえば、
・場所を選ばない
・交通費がかからない
・スケジュール調整がしやすい
などのメリットも多く、企業側も求職者側も次第にオンラインでの採用活動が馴染んでいき、アフターコロナの人材採用スタイルもオンラインがスタンダードになるのではと思われていました。しかし、2023年に実際コロナ禍が収束に向かい様々な制限が取り払われると、一部オンラインは残しつつもコロナ前同様の対面方式に切り替える動きが顕著になってきています。本記事では、この採用のリアル回帰の背景やこれからの採用シーンのあり方などについてお話します。
2.採用のリアル回帰が進む理由
オンライン主流の採用活動からリアルへと回帰している主な3つの理由は以下の通りです。
① 直接的なコミュケーションの重要性
直接的なコミュニケーションは、オンラインに比べで相手の非言語的なサインをより詳細に捉えることができ、また、採用担当者と求職者が同じ空間にいることでマッチ度を計る精度がアップします。リアルで採用活動を行うからこそのメリットがあるため、リアル回帰を進める企業が多いのです。
② 企業文化や職場環境を体感できる
オフィスや現場を訪れることにより、求職者は職場の雰囲気や社員の様子を自分の目で確かめることができます。特にインターンシップは、実際の業務体験や既存社員と直接コミュニケーションを取ることができることもあり、リアルでの実施のニーズが高まっています。インターンシップにおいては、2025年卒者から採用直結型が認められたこともリアル開催が強く望まれる一つの要因となっています。
③ リアルな印象を与える
現場の環境や実際使われている施設などを直接見ることによって、求職者は入社後の社会人生活や自らの働く姿をイメージしやすくなり、また、親近感や信頼感が高まり企業に対するポジティブな印象を持ってもらう事ができます。これもまら、リアルでの採用活動ならではのメリットです。
3.リアルとオンラインの併用
① ウェビナーと企業説明会
気軽に多くの人が参加できるウェビナーやオンラインセミナーを利用して企業PRや採用情報を広く発信し、そこから自社に興味を持った求職者に対してリアル開催の企業説明会への参加を促すというやり方です。集客が効率化できるだけでなく、説明会参加者のほとんどが自社に対してすでに理解や共感を示してくれている状態なので、より質の高い母集団の形成やさらなる理解度のアップが期待できます。
② SNSと連動したリアルイベントの開催
SNSは昨今、若者を中心に主な情報収集ツールとして利用する人が増えていることもあり、活用すれば求職者はもちろん潜在層まで幅広くアピールができます。その影響力と拡散力を利用して、オフラインイベントの集客率をアップしたり、採用情報を発信してより大きな母集団形成したり、企業と候補者との接点作りに役立ちます。
③ 採用活動の段階ごとに使い分ける
オンラインは、地理的な問題や時間の制約などを越えて様々な人に平等に機会を与えることができます。その特性を生かし、初期段階の面談や1次選考などは参加のハードルを下げるためにオンラインを活用して応募者の裾野を広げることで、より多くの求職者との接触を試みることができます。そうしてある程度候補者が絞られた所でリアルで顔を合わせる最終選考へと進み、自社の求める人材であるかどうかの見極めをします。段階ごとにリアルとオンラインを併用することで、広い出会いと人材見極めの精度を両立することができるのです。
4.まとめ
コロナ禍をきっかけに普及したオンラインでの採用活動は、企業・求職者双方がその利便性や手軽さを感じながらも、コロナ禍の収束に伴い採用のリアル回帰を進める動きがみられます。それはオンライン化を経て、リアルだからこそ伝わる企業の姿や情報、で直接的なコミュニケーション初めて分かる求職者の持つ能力や性質に多くの人が気付いた結果と言えます。これからの時代は、リアルの良さとオンラインの良さを上手に生かしながら採用活動を行うことが、採用成功に向けて欠かせない要素となるでしょう。
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