売り手市場が続いている近年の採用においては、内定者へのフォローを実施して入社意欲を維持し続けることが人材を確実に獲得するための必須事項です。今回は、なぜ内定者フォローが必要なのか、その目的や実施のポイントについてお話します。
目 次
1.はじめに
2.内定者フォローの目的
3.内定者が望んでいる5つのこと
4.内定者フォロー実施のポイント3選
5.まとめ
1.はじめに
少子化に伴う生産人口が減少の影響もあり近年においては売り手市場が続いています。そのため“優秀な人材を必要人数確保する”ということが難しく、いかに自社の求人に応募してもらうか、入社してもらうかに四苦八苦している採用担当者の方は多いと思います。しかし、採用活動は応募してもらって内定を出して終わりではありません。複数の企業から内定をもらっているという学生は多く、どの企業に入社するかという意思決定は、実は学生が主導権を握っているのです。そこで、内定を出した後も内定者の志望度を保つための施策として重視されているのが内定者フォローです。今回は、内定者フォロー実施の目的やポイントについて詳しくお話します。
2.内定者フォローの目的
では、具体的に内定者フォローにはどのような目的があるのでしょうか。以下、主な3つの目的について解説します。
① 内定辞退の防止
求人募集の各種PR活動やインターンシップ、選考活動などたくさんの労力をかけて確保した内定者も、辞退されてしまっては採用にかけた費用・時間も綿密に立てた採用計画もすべてが無駄になってしまいます。辞退を防ぐために、内定から入社までの間に的確なフォローを実施します。
② 入社後の早期退職の防止
新卒者の早期離職率は、入社3年で3割とも言われています。原因は様々ですが、その一つに“入社前と入社後のミスマッチ”が挙げられます。入社前に得た情報や、思い描いていた社会人生活と入社後の現実に大きなギャップが生じることで、モチベーションやエンゲージメントが低下して離職に繋がるのです。入社までの間に企業理解を深めたり実際の職場の雰囲気を伝えてより具体的なイメージを持ってもらったりして、ミスマッチを防ぐためのフォローを行います。
③ 入社前の準備
入社前に企業・業界についての研究や必要な知識・スキルについて簡単に学べる機会があると、入社後の新人研修もスムーズになります。複数の内定者がいる場合には、内定者同士でのグループワークなどを組んだりすると同期同士の横のつながりを作るきっかけにもなりますね。
3.内定者が望んでいる5つのこと
的確な内定者フォローを行うには、内定者がどのようなことを求めているのかを知ることが必要です。ぜひ、次に挙げる5つの望みを参考にしてください。
① 安心感が欲しい
「この会社でよかったのか」「社会人生活をしっかり送れるだろうか」と、内定後も新卒者は様々な不安を抱えています。歓迎の気持ちや会社の情報を伝えるなど継続したコミュニケーションを取り、安心感を持ってもらえるようにしましょう。
② 他の内定者を知りたい
自分の他にどのような人が内定をもらっているのか、近い将来同期として一緒に働く人たちはどのような人なのか、気になるのは当然です。内定者同士の繋がりを作るイベントやシステムを提供してあげましょう。
③ 会社の雰囲気を知りたい
自らが働くオフィスの雰囲気や実際の業務の様子を事前に知ることで入社後のイメージがしやすくなり、入社までの心の準備ができます。
④ 既存社員との関係を築きたい
一緒に働くことになる先輩社員と良好な人間関係を築けるかどうかも不安要素のひとつです。社員との交流の場を設け入社前・入社後の悩みを相談したりできるような先輩と知り合うことができれば、新たな環境にも馴染みやすくなります。
⑤ 自分が会社から期待されていることを知りたい
新卒者に求めることや期待している働きについて明確に伝えて欲しいと思っている内定者は多いです。それ以外にも、各部署や役職毎に求められていることなども嚙み砕いて伝えることで、入社後のビジョンや自らのキャリアについてを考えるきっかけを作ることができます。
4.内定者フォロー実施のポイント3選
内定辞退を防ぎ自社を選んでもらうためには、内定者の望みを満たすようなフォローの実施が必須です。効果的な内定者フォローを3つご紹介します。
① 個別のコミュニケーションを継続的に取る
内定者一人ひとりとしっかりと向き合い、双方向のコミュニケーションを取ることが大切です。そうすることで、内定者は「自分を必要としてくれている」「親身になってくれる社員がいる」と企業に対しての信頼感が高まりますし、企業は内定者理解が深まります。真摯な態度で個人と向き合うことで、志望度はアップし入社意欲を維持することができます。メールでの定期連絡や、個別懇談の機会を設けるのがおすすめです。イレギュラーではありますが、災害時には既存社員だけでなく内定者にも安否確認を実施するのも好印象を与えます。
② 採用担当者以外との繋がりを作る
内定者とのやり取りは、応募・選考時からずっと採用担当者が行っていることがほとんどです。新卒で入社予定である彼らと年の近い先輩社員や、配属予定の部署のメンバーなど、採用担当者以外との繋がりを作ることができるようなフォロー施策を実施すれば、入社前・入社後の不安や疑問を解消するための人間関係を築いてもらうことができます。座談会や懇親会を開き、内定者と既存社員との触れ合いの場を設けましょう。内定者同士も交流も図ることができ、一石二鳥です。
③ 会社についてのポジティブな情報を発信する
内定者は、より詳細で多くの企業情報を求めています。現在取り組んでいるプロジェクトについてや取り組んでいる様子を収めた写真などを送れば、入社後の業務についての理解が深まるだけでなく活気あふれる職場の様子も伝えることができ、入社に対してよりポジティブなイメージを持ってもらえます。社内報などがあれば、発行時に内定者にも配布するのも良いですね。
5.まとめ
内定を出すまでは企業側が採用の主導を握っていますが、内定を出してからは、入社の是非は内定者自身にかかっています。企業が内定を出した後にできることは内定者フォローくらいですので、いかに自社を選び入社してもらうかに注力し、せっかくのご縁を逃さないように努めましょう。
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